本日、仕事が休みで一緒に過しているランディーズの2人とチュートリアルの福田。
せっかくなのでゆっくりしようという事で、各々好きなことをすることにした。
高井は昼寝、中川はテレビ鑑賞、福田は雑誌を読んでいる。
少し時間が経った頃に、中川がある事に気が付いた。
「アレ・・?福ちゃん?」
小さな訪問者
「高井〜」
「あぁ〜?何や、ウッサイなぁ・・人の昼寝邪魔しよって」
ベッドで寝転がっている高井が、部屋に入ってきた中川にそう言った。
どうやら、寝ていたところを起こされて機嫌が悪いようだ。
少々たじろぎながらも、中川は続けていった。
「福ちゃんおらへんねんけど、知らん?」
「アホ!それを早言え!!」
いきなりベッドから起きあがり、中川を軽く叩いて部屋から出る。
正直、叩いたのにほとんど意味はない。
あるとすれば、八つ当たりなだけである。
「何処行ったからからんのか?」
「やから知らんかって訊いてんねやろ?」
「それもそうか・・買い物行ったとか?」
「靴はあんねん」
「・・靴はあるのに、何処行ったんや・・・」
リビングの真ん中で立ちつくす2人。
靴はあるから、外出はしていないだろう。
なのに、何故いないのか。
「・・・誘拐されたとか!?」
「・・・・・死ぬか?中川・・」
「冗談やんけ!真に受けんなよ!」
「それもそうやな・・何処行ったんや、福ちゃん・・・」
「僕がどうしたって?」
「「福ちゃん!!?」」
「どうしたんですか?2人とも声揃えて」
いきなり聞こえてきた声に、ビックリする2人。
しかも、福田が現れたのは何故か窓から。
「福ちゃん・・何やってんの?」
「えっと・・コレ・・・」
「「え・・?」」
そう言って福田が両手を差し出した。
手を被せあって、何かを大事に持っているようだった。
そして、上に乗せてあった手を退けた。
「ピピピピピッ」
「「・・・小鳥?」」
「はい。ケガして窓の下に落っこちてたんで、拾ってたんです」
「「・・・はぁ〜〜・・・」」
「な、何ですか!?」
中川と高井は、その場に座り込んだ。
見つかって良かったという安心感からか、
その福田の行動に気付かなかった、自分達の馬鹿さからか。
しかし、福田は訳が分かっていないようだ。
「で、その小鳥どうすんの?」
「ケガしてますから、せめて手当くらいして上げようかと・・」
「そんじゃ、救急箱取ってくるわ」
「お願いします」
救急箱がおいてある部屋へ、中川は小走りで向かった。
福田と高井は椅子に座って、中川が戻ってくるのを待つ。
そして、高井が横にあった小さい小箱に気付く。
「その小鳥、こん中に布でも敷いて入れたったら?」
「そうですね、手頃な布ってあります?」
「ちょう待って。探してくる」
その後、中川が持って来た救急箱で小鳥に手当をして、
高井が持って来た布を小箱に敷いて、そこに小鳥を入れた。
小箱の中で、小鳥はチョンチョンと可愛らしく跳ね、ピピピッ可愛らしく鳴く。
「可愛いですね」
「「(福ちゃんも充分カワエエけどな・・)」」
「ピピピピピッ」
「あ、鳴いた鳴いた」
「ピピピッ」
小鳥は福田の手へちょこんと乗った。
小さく横移動をしながら、指の方へ移動し、福田を見上げてまた小さく鳴いた。
そんな小鳥の行動に、笑う福田。
しかし、面白くない目で見ている者がココに2名。
中川と高井である。
小鳥ばかりに構って、自分達には構ってくれない。
それが妙に悔しい(ちょっとしたヤキモチ)
「福ちゃん、その小鳥どうすんの?」
「足のけがだけやし、飛べるみたいやから直ぐに自然に帰せると思いますけど」
「そっか」
「昼飯作りますね。まだですし」
「せやね。俺も手伝うわ」
「じゃあ、お願いします」
「そんじゃ、俺は机の上でも片付けとくわ」
「ピピピピピッ」
「・・・何やねん、お前」
福田と高井がイスから立ち上がった途端、福田の指にとまっていた小鳥が、
ピョコンと福田の隣に座っている中川の頭の上に飛び乗った。
「ハハッ、何や中川。気にいられたんか?」
「みたいですね」
「ちょ、降りろって〜!!」
「ピピピッピピピピピッ」
「なーーーーーーっ!!」
「中川、ウッサイ」
「やってよ〜!」
高井にそう言われて、情けない声で言う中川。
そんな中川に、小さく笑って福田が言った。
「中川さん、机の上の片付けお願いしますね」
「了解」
「何やねん、お前」
「愛の為に生きている男と呼んでくれや」
「死ね」
福田の言葉、立て治る中川。
しかし、キツイ言葉を言い捨てる高井。
この3人の関係は、大抵そんなものだ。
中川と高井の間に福田がいて、調和しているような状態だ。
「福ちゃん、今度2人でどっか行かへん?」
「良いですよ」
「ちょう待て、高井――!何抜け駆けしようとしてんねん!」
「ウッサイ、引っ込んどれ!」
「福ちゃんに関しては、引けへんぞ、コラッ!」
「え?え?ど、どうしたんですか2人とも・・」
「ピピピピピッ」
中川と高井がケンカを仕始めた。
どうしたらいいか分からない福田と、
ノン気に中川の頭から福田の方へ移動して鳴いている小鳥。
「えっと、じゃあ3人で行ったらいいじゃないですか!ね!?」
何とかケンカを止めようと必死の福田。
「・・・福ちゃんがそう言うんやったら・・」
「うん」
「話がまとまったところで、昼飯作りましょ!」
「せやな」
「片付け片付け」
「小鳥ちゃんは、ココで待っててな?何か食べれそうなもん作るから」
「ピピピッ」
福田の言葉が分かってるかのように、返事を返す小鳥。
そのほのぼのとした光景に、さっきまでケンカしていた2人の表情が緩む。
そして料理が完成して。
「はい、口開けてな〜。美味しい?」
「ピピッ!」
「そっか、よかった」
「福ちゃ〜ん、小鳥に食べさせたげるんやったら、俺にも食べさして?」
「え!?////////」
「な、じゃあ俺も!」
「って、変な対抗意識燃やさないでください!!////////」
「ピピピピピッ!」
「「お前は入ってくんな、鳥!!」」
「何、小鳥に嫉妬しちゃってるんですか!!」
そんな福田の言葉に、ピクリと反応した2人。
2人揃って、福田の方を向く。
「な、何ですか・・?」
「福ちゃん、嫉妬しとるって分かってるワケやねんな?」
「え、あっ・・」
「つまり、福ちゃん分かっててやってるワケ?」
「あ、イヤそう言う訳ではなくて・・!」
「「問答無用」」
「ちょ、待っ・・!」
その後、どうなったかは3人と1匹のみぞ知る。
余談だが、あの小鳥はしばらく福田にくっついて離れなかったとか。
そして、その所為でランディーズの2人が機嫌が悪かったという。
END?
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キリ番5900を踏まれた海莉さんに捧げます。
お待たせいたしました!
もう、ラン福書くってだけでテンション上がりまくりでした。
ちょっと、謎めいた文になった気がします・・;;
お気に召されましたら、お持ち帰りください。
リクエストありがとうございました!


<海莉>

ありがとうございます!!!

こんな素敵な欄福を頂いてよろしいんですか?

泉さまの書く福ちゃんは可愛すぎますよ!(興奮)