<吉本高校の日常・その1>
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才能溢れる異色の少年だけを集めた吉本男子高校。
今日も今日で、決して普通ではない彼等は破天荒な日常を送っている。
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「おはよー」
眠そうな目をこすりながら、一年生の教室に一人の少年が入ってきた。
背は低く、華奢な身体つきだが、その割に目が大きい。
だぼだぼっとした学ランは年上のお姉さまを萌えさせるだろう。
少年の名は梶原雄太(15)。
「梶ーvvおはようー」
そんな梶原にいち早く近寄る一人の男子生徒。
梶原より背が高く、細身だがしっかりとした体つきの顔立ち整った少年。
すっきりと学ランを着こなしており、あきらかにモテるオーラを放っている。
名を西野亮廣(15)。
梶原を心から愛する変態・・・いや、少年だ。
「あー・・・西野っち?おはようー」
満面の爽やかスマイルで語尾にハートマークをつけている西野に、眠そうに応える梶原。
「・・・梶、かわええ!vv」
伏し目がちな潤んだ瞳、眠気ゆえに子供のような話し方、その全てが西野を欲情させるには充分すぎた。
梶原をギューッと抱きしめる。
瞬間、梶原の眠気が一気に覚まされた。
「何してんねんーーー!!」
「あー、マジでかわええvv」
梶原は渾身の力を込めて抵抗するが、身体の大きさはもとより、力でも西野には劣る。
梶原は西野の腕にがっちりと抱きしめられてしまった。
「は、はなせぇ!!」
「可愛いvv欲しいー」
「ほ、欲しいって何や!俺は物やないぞ!!」
「梶、本気で俺の嫁にならへん?」
「な、なるかっ!つうか、なれるわけないやろ!!」
「大丈夫やて、梶は可愛いから」
「どんな理屈やねん!!」
梶原が大声で怒鳴った瞬間、教室のドアがガラッと開いた。
入ってきたのは生徒会会計の菅と書記の宇治原。
菅は梶原を抱きしめている西野を見て、呆れたような顔をした。
「何してんねん、朝っぱらから」
「仲ええな、相変わらず」
「宇治原先輩!冗談やめてくださいよ!俺は迷惑しとるんですから!」
「ああ、すまん」
「何か用ですか?」
「ああ、そうや。中川先輩知らんか?」
「中川先輩?今日はまだ見てないです」
「そうか、ならええわ。邪魔したな」
「また逃げだしたんですか?」
「そうや」
中川とはこの学校の生徒会長の名前である。
しかし、会長であるにも関わらず仕事を放り出していなくなることが日常茶飯事。
そのたびに、宇治原や菅が探しまわっているのだ。
「ちょうどええわ」
「え?」
「お前らも探すの手伝え」
「えぇぇ!?」
菅の発言に、あきらかに不満の声を西野があげる。
しかし、その隙に西野の腕から逃げ出した梶原は・・・。
「喜んで!!」
と、菅の腕に縋り付いた。
「梶ぃぃぃ」
「西野、行くで」
宇治原に引きずられ、連れて行かれる西野。
そんな西野を見送りながら、菅が梶原に言った。
「少し可愛そうやないか?」
「いいんです!」
「素直やないな」
「菅先輩に言われたないです」
「俺は素直やでー?うーちゃんにも素直に甘えられるしな」
「・・・」
菅の言葉に黙り込む梶原であった。
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end
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コメント
パロ第二段です。
西野が阿呆すぎる気が・・・。
ぶっちゃけた話、あんまり好きじゃないんです。
すいません、ファンの方々!!
でも、梶原は心から愛しています!
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