<自動販売機の前で>

昼休み・・・。

すでに昼食を食べ終え、席をたった田村に川島が声をかけた。

「田村くん、どこ行くの?」

「ジュース買いに」

「じゃあ、俺も行くわ」

「買うてきたるで?」

「ううん、ついてく」

「・・・あ、そ」

教室を出ようとする二人に梶原の声がかかる。

「あー!田村、俺にはコーラなー!!」

「金」

「おごってぇな」

「断る」

「田村くん、何にすんの」

「んー・・・」

自動販売機を睨み付けて数分。

田村は眉間に皺をよせて唸った。

「イチゴ好きやんか、イチゴジュースにしたらええやん」

「いや、こっちも捨てがたいねん」

そう言って田村が指さしたのはバナナジュース。

「田村くんって、そういうの好きやんな?」

「悪いかっ」

「全然。かわええvv」

「・・・阿呆か」

「でもな、俺的おすすめはコレやで」

「あ?」

川島が指さしたのはレモンスカッシュ。

「炭酸は嫌や」

「美味しいと思うで、これにしとき」

「・・・何でコレやねん」

「んー?」

すると、川島はニッコリと笑った。

「ファートキスはレモン味がええやんか」

ピッ・・・ごとんっ!(ジュースが落ちてきた音)

「あ、何でイチゴにすんねんっ」

「・・・」

「・・・まぁ、イチゴでもええか」

「何がや」

「せやから、キスvv」

「・・・」

ごんっ!!!

「った!!?」

「死ね」

「缶で殴るのはあかんやろ」

「お前が阿呆なこと言うからや」

「たんこぶ出来たかも・・・」

「知るか」

涙目になりながら頭をおさえている川島を無視し、教室へ戻っていく田村。

そんな田村の後を苦笑いしながら着いていく川島。

こんなんでも、それなりに幸せな川島なのであった。

end

コメント

川田って好きだなぁ・・・。

非常に作りやすいんですよね。