<授業中の手紙まわし>
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期末テスト一週間前・・・。
高井だけでなく、ほとんどの生徒たちが必死になって勉強をする時期である。
今の数学の授業中。
高井は黒板に書かれている公式と先生の出してくるヒントを懸命にノートに書き写し、頭の中に入れていた。
いくら成績優秀な彼といえど、授業を聞いていなければテストでいい点など取れる筈がないのだ。
一回教科書を読めば理解してしまう宇治原とは違う。
「(まぁ、アイツの脳は別もんやな)」
そんな時、高井の背中に何かが当たる。
振り向いてみれば、斜め後ろの席にいる中川が笑顔で手を振り、床を指さしていた。
「?」
見ると、丸められた紙が落ちている。
拾って広げてみると・・・。
そこには「授業ヒマすぎやー!抜け出さへん?」と書かれてあった。
「・・・(阿呆や)」
呆れた高井は中川を無視して前を向きなおす。
すると、またもや背中に何かが当たる。
「・・・」
今度は紙ヒコーキだった。
内容は「無視すんなーっ!」の一言。
「・・・」
高井はため息をつき、中川を睨み付ける。
しかし、中川は笑顔のままである。
「(ほんま、コイツが生徒会長で大丈夫なん?この学校・・・)」
先行き不安な高井であった。
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休み時間・・・。
「お前な、テスト前やのに邪魔すんなや」
「ええやんか別に」
「ええことあるか!もう少し焦れ!」
「じゃあ、一緒に勉強せぇへん?」
「何でそうなんねん」
「二人のほうがはかどるやんvv」
「・・・たーちんはマイペースすぎやな」
「そういうとこも好きやろ」
「自惚れるなっ!」
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end
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コメント
中高は楽しいなぁ・・・。
気分的に楽しいです。
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