<悲哀5>

「・・・」

「宇治原、大丈夫か?」

「大丈夫や」

「・・・俺、先に帰ってるからな」

「ああ」

梶が死んだ。

死因は自殺。

手首を刃物で何度も切り裂き、出血多量で死んだ。

冷たくなっていた梶を発見したのは宇治原だった。

連絡を受けて急いで梶の家に向かった時、宇治原は梶の冷たい身体を抱きしめて静かに泣いていた。

「・・っつ・・・くっ・・・」

「う・・・宇治原」

「菅・・・俺・・・なにも・・・気付いて・・っつ・・・やれへん・・・かった・・・ふっ・・・くっ」

「・・・」

「梶・・・なんでや・・・何で・・・」

今でもはっきりと覚えている。

梶の死に顔。

幸せそうな、だけどどこか寂しそうな表情やった。

あんな死に顔で、ほんまにお前は・・・。

「・・・西野、お前あまりにも残酷すぎちゃう?」

空を見上げて、仲が良かった後輩に話しかけた。

「寂しいのは、お前だけやないんやで」

今となっては、こんなん意味ない台詞やけど。

「・・・」

梶の墓に花をそえて、今だに動こうとしない宇治原を横目で見やった。

end

コメント

終わりました・・・。

初の試みでしたね。

っていうか、すいません!!ごめんなさい!!!

西野っちをこんな役にしてごめんなさい!

逃げます・・・。