<会いたい>
会いたいなぁ・・・。
「潤?何か言った?」
「小沢さん、あのさ・・・」
「・・・ハリガネロックさんとの仕事は入ってないよ」
「・・・そっか」
「メールとかしてるんでしょ?電話は?」
「・・・最近、メールも電話もしてない」
「忙しいんだよ、きっと」
「・・・」
「潤、寂しいなら俺と浮気してみる?」
「え?」
「潤のこと好きだし」
「・・・ごめん、小沢さん」
「わかってる。でも、寂しかったらいつでもおいで」
「ありがと」
小沢さん、気使ってくれてるのかな・・・。
「はぁ」
自然ともれた何百回目かの溜息。
会いたい。
だけど、そんなのは俺の我侭だから。
俺の我侭であの人を困らせるわけにはいかない。
「・・・同じ東京にいるのになぁ」
同じ東京で、同じ芸人として、近くで仕事してる時もある。
それなのに、会えない。
「・・・松口さん」
溜息と共にもれたのは会いたい人の名前。
俺とあまり年齢も違わないのに、俺より大人で、かっこよくて。
誰よりも好きな人。
「・・・会いたいよ」
あの人のことばかり考えてる。
「・・・っく・・・ふっ・・」
気付いたら、涙があふれてきていた。
こんなとこ、あの人に見られたら笑われるよな。
強くて、ちょっとケチだけど優しくて・・・。
「・・・そんなとこも好きだよ」
携帯で貴方の番号を押すことさえ恐れてる。
声が聞きたいけど、会いたいけど、迷惑になることだけはしたくないんだ。
「でも、会いたい」
俺、矛盾してるかな・・・。
「井戸田!」
「・・・え?」
一瞬、耳を疑った。
だって、こんな所に貴方がいるわけないのに。
寂しさのあまり、幻聴が聞こえるようになったのかな。
「井戸田、何で泣いてんねん」
「・・・松口さん?」
ああ、とうとう幻覚まで見えるようになった?
「井戸田?」
「松口さん、会いたかった」
「俺もやで」
そう言って、幻覚の松口さんが強く抱きしめてくれた。
あたたかいなぁ。
幻覚にしてはやけにリアルだし・・・。
「井戸田、大丈夫なん?」
「松口さん・・・本物?」
「はぁ?」
俺の言葉に怪訝そうな顔をする大好きな人。
「幻覚じゃ、ない?」
「阿呆か」
「いたっ」
頭を小突かれた。
痛い、ということは幻覚じゃないんだね?
「松口さん、すごく会いたかった」
「俺もや言うてるやん」
「そうですね。でも、何でここに?」
「お前・・・」
「?」
後から聞いた話、今日の出演番組で一緒に仕事することになったらしい。
小沢さん、教えてくれればよかったのに・・・。
「驚かせようとしたのかな」
「・・・アイツがそんな優しいこと考えるとは思えへん」
「どういうこと?」
「・・・鈍い」
「どうせ、俺は鈍いですよ!」
「・・・ま、そこも好きやけどな」
「////・・・俺も、松口さんのケチなとこ好きです」
「喧嘩売っとんのか?」
「まさかvv」
「ま、ええけどな」
そう言って微笑んで、松口さんが俺にキスしてくれた。
「いつでもメールせぇよ」
「でも、忙しいのに」
「阿呆か。お前からメールないとな・・・」
「?」
「あーもー、ええわっ」
「えー?言ってくださいよー」
「・・・お前、ほんまはわかってるやろ」
「さぁ?vv」
end
・おまけ・
「何で松口さんなんだろう・・・」
「さぁなぁ」
「絶対に俺の方が優しいと思うのに!」
「・・・」
「聞いてますか?大上さん!」
「聞いてるわ」
「何とかして別れさせてやる!」
「・・・ほどほどにな」
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コメント
初の松潤です。
小沢さんが変だ。最初の優しさは作戦なんですよ。
というか、私は松口さん攻めが好きです。
でも、松口×大上は嫌いです。
松潤なら書けますvv
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