<雨の日に>


久しぶりのオフの日。
街に出かけたら予想外の大雨。
いきなりだったから何処の店に行っても傘は売り切れ。
仕方なく、雨がやむまで喫茶店で時間をつぶすことにした。

「いらっしゃいませ、お一人様ですか?」
「あ、はい」
「ただいま、店内が大変混み合っていますので相席でもよろしいでしょうか?」
「はい」
「では、ご案内いたします」

ついてないなぁ・・・雨の上に相席だなんて。
でも、わがまま言って店員さんに迷惑かけられないし・・・。
「お客様、相席よろしいでしょうか?では、こちらのお席になります」
案内された席に座っているのは男の人だった。
って、あれ?
「井戸田さん?」
「あ、川島くん!?」
「こんにちは」
相変わらずの低い声で、川島くんは笑顔で挨拶をしてくる。
すごく久しぶりかも・・・。
「な、何でここにいるの?」
「仕事で東京に来てるんです」
「そ、そう・・・」
「座らないんですか?」
「あ・・・」
立ったままじゃ変に思われるよな。
「井戸田さんはオフですか?」
「うん」
「せっかくのオフにこの天気じゃ残念ですね」
「・・・そうでもないよ」
「え?」
「川島くんに・・・会えたし・・・////」
「井戸田さん・・・」
って、俺は何言ってるんだよ!!!
恥ずかしい・・・////。
「あ、俺、コーヒー頼もうかなっ!」
赤い顔を見られないようにメニュー表で隠してみたけど・・・。
うわぁぁぁ・・・川島くん、こっち見てるよー。
変な奴だと思われたのかなぁ・・・。
「井戸田さん」
「あ、その・・・さっきの忘れてよ!」
「何でですか?」
「いや・・・えと・・・」
「嬉しいです。忘れるわけないじゃないですか」
「・・・////」
「俺も、井戸田さんに会えて嬉しいんですから」
「そ、そう////」
恥ずかしすぎて顔があげられない・・・。
多分、笑ってるんだろうなぁ。
そう思って川島くんを見ると、やっぱり笑ってた。
「っつ////」
しかも、俺の一番好きな笑顔。
「井戸田さん、可愛いですね」
「・・川島くんは・・・かっこいいよ・・・」
「ありがとうございますvv」
「・・・あのさ」
「はい?」
「もし、この後ひまだったら・・・俺の家に来ない?」
「いいんですか?」
「・・・うん」
「手出さない自信ないですよ?」
「いいよ・・・久しぶりに会えたんだし・・・」
わーっ!もう、顔が茹でタコみたいになってる気がする。
「喜んで行かせていただきますvv」
「うん・・・////」

とりあえず、雨がやむまではこのままでいさせてよ。
もう少ししたら笑顔を君に見せるから・・・。

end

コメント
川潤です。
潤さんが積極的。
こういうの好きなんですvv