<君の為なら>
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お前の為なら何でもしてやれる自信がある。
どんな痛みも屈辱も我慢できる。
どんなことからでも、お前を守れる。
人だって殺してみせる。
お前が欲しいものは全て与えてやる。
それが、たとえ俺の命でも・・・。
俺は喜んで胸にナイフを突き立て、この赤い心臓を捧げる。
それくらい、惚れてんねん。
せやから、お前は俺の側にいて。
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「西野っち、もうすぐ俺の誕生日やて覚えてる?」
ふいに、梶がそう聞いてきた。
当然、知っているけれど、あえて俺は知らないと言う。
「何でやねん!相方の誕生日くらい覚えたってや!」
思った通り、梶は憤慨する。
頬を膨らませて怒る姿がたまらなく可愛らしい。
「嘘。覚えてるに決まってるやん」
俺が微笑んでそう言うと、梶は嬉しそうな顔をする。
そして、俺に抱きついてきた。
「何くれる?」
「何がええの?」
「んー・・・せやなぁ」
ころころと表情が変わる可愛い君。
君の為なら何でもしてあげる。
「西野っちの目かな」
「俺の目?」
「すごく綺麗やもん」
「せやけど、目なくなったら梶の顔が見れへんなぁ」
「じゃあ・・・」
無邪気にそう言う君がたまらなく愛しい。
例え、異常だと言われようとも・・・。
「どうせなら、俺自身にせぇへん?」
「あ!それもええな!」
「大事にしてくれるか?」
「一番の宝物にする!」
そう言われて、嬉しくなる自分がいた。
「ほんまにくれる?」
「なんなら、今すぐでもええで」
そう言って、俺はナイフを人差し指にあてがった。
少し力を込めれば、赤い液体が滴り落ちる。
「西野っちの血、綺麗や」
「梶には劣るけどな」
「何言うてんの」
「誕生日おめでとう、梶」
「ありがとう、西野っちvv」
そうして、首をナイフで切りつけた。
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end
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コメント
暗い?甘い?ダーク?
何なんですかね。最近、こういうのが好きみたい。
西梶のダークは作りやすいんですよね。
ああ、本当にごめんなさい。
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