<膝枕>
「後藤くん、いい加減にしてくれへん?」
「ああ?」
岩尾の言葉に後藤が眠そうに返事をする。
かなり不機嫌そうだが、そんなのに怯む岩尾ではない。
自分の膝の上に頭をのせている後藤をべしっと叩いた。
「いたっ!なにすんねん!」
「重いねんもん」
「叩くことないやろ!」
「言ったってどういてくれへんやろ?」
「ええやんか、減るもんやない」
「膝が痺れるんやもん」
岩尾はこれまで一時間あまり、後藤に膝枕をしていた。
とは言っても、岩尾が承諾したわけではなく。
後藤が無理矢理させたのだが。
「一時間もやで?痺れて動けへんやんかぁ」
不平不満を後藤に言う岩尾。
そんな岩尾に後藤は面倒くさそうに溜息をつく。
「わかったわかった・・・」
「何がわかったやねん」
「せやから、ちょお黙れ」
そう言って、後藤は岩尾に口づけた。
「ふっ・・・んぅっ・・・」
初めは軽く・・・次第に深く口づけていく。
「・・んぅっ・・・んんっ・・」
岩尾は何とか抵抗しようとするが、強く押さえ込まれている為にそれすらままならない。
「・・・っ・・・はぁっ・・はぁっ・・・」
「・・・苦しいか?」
「あ、当たり・・まえやんかぁ・・・」
「何で涙目やねん」
息苦しさのあまりか、岩尾の目は潤んでいた。
そんな岩尾にこの男が普通でいられるはずもなく。
「・・・のん」
「なんや」
「せぇへん?」
「せぇへん!!」
「なんでや」
「こんな昼間から・・・何考えてんのよ」
「のんとすること」
「うわっ・・・えげつないわぁ」
「えげつなくて結構じゃ」
そう言って、岩尾を押し倒す後藤。
「ちょ、後藤くん!?嫌やってば!」
「そんなん知るかい」
「やめっ・・・」
「足、まだ痺れてるやん?抵抗できるもんならしてみぃや」
「・・・・卑怯もん」
「上等じゃ」
「・・・嫌いや」
「・・・は?」
「後藤くんなんか嫌いやぁっ」
「の、のん!?」
とうとう泣き出した岩尾に後藤が焦る。
なんとか宥めようとするが、岩尾が泣き止む気配はない。
「のん・・・俺が悪かったって!」
「・・・くっ・・・っつ・・・」
「のんー・・・」
それから約三十分・・・。
岩尾が泣き止むまで後藤は必死で謝り続けた。
「・・・落ちついたか?」
「・・・・うん」
「何で泣いたん?」
「・・・後藤くん、僕の気持ちとか無視するやんか」
「ああ・・・それは、ほんまに悪かったて」
「ほんまに悪かったて思ってる?」
「思ってる」
「・・・なら許したるわ」
「っつ////」
ふにゃっと笑う岩尾に、後藤の胸が鳴った。
「・・・のん」
「ん?」
「俺な、お前とコンビ組めて幸せやわ」
「何?いきなり」
「せやから・・・」
「え?」
気が付けば、岩尾に馬乗りになっている後藤の姿があった。
「ちょ、後藤くん!?」
「あかん・・・我慢できひんわ」
「あ、阿呆!そんなん許すわけないやろ!」
「悪い・・・」
「悪い思うならすんなぁ!!」
結局、のんちゃんは後藤さんに食べられてしまったそうな。
end
コメント
・・・すいません、羊さん。
ごめんなさい、こんな駄文でもよろしいですか?
本当にすいません。
こんなのでよければお受け取り下さい!
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