<激愛>


愛しているのはお前だけ。
それなのに、どうして信じてくれないの?





「梶ー、おはよう」
「あ・・・お、おはようございます」
先輩に声をかけられて、無視しようにも無視できない。
背中にアイツの視線を感じながら、笑顔で振る舞う。

ああ、今日もきっと・・・。

ぐちゃぐちゃにされるんやな。

もう、慣れたけど・・・。





「梶」
「・・・なに?」
「何で他の奴と話すねん」
「しゃあないやん・・・」
「何やねん・・・その言い方」
ああ、そんな目で見ないでほしい。
どうして、お前は信じてくれへんねん。
「西野、聞いて・・・」
「何をや」
「好きなんはお前だけやから」
「・・・そんなん信じられると思ってんのか?」
「せやけど、ほんまやねんっ」

ばしっ!!

「・・・つっ・・・」

口のなか、切れたみたいや。
血の味がして気持ち悪い。

「梶・・・」
「西野、信じて」
「・・・」

そんな冷たい目で見ないで。
どうして信じてくれないの?

愛してるのはお前だけやのに。

どうして、お前は俺を殴るの?

今日も、ぐちゃぐちゃにされるんやね。

「・・・っつ・・・ぐっ・・・」
「梶、立てや」
重い身体を引きずるようにして、何とか立ち上がる。
途端、髪を強く引っ張られた。
「・・・ったぁ・・・」
「梶、もう他の奴と話さへん誓え」
「・・・無理、やて」
「何でや」
「そんなん・・・無理・・・や」
「・・・梶っ!」

ああ、また殴られるん?

そうしないと、安心できひん?

どうして、そんなに寂しそうなん?

西野、ほんまに俺のこと愛してる?


「・・・西・・野・・・」
「梶・・・愛してんねん」
「・・・」
「俺から離れていくな」

いつも、これの繰り返しやね。
まるで、繰り返して映像を見てるみたいや。
俺のこと散々殴って、血だらけにして・・・。
そして最後は泣くんやな。

俺のこと抱きしめて。
愛してるって囁いて・・・。
離れていかないで、と泣くんやね。

ほんま、なんて弱い人なんやろ。

「愛してんねん・・・」

ああ、それこそ信じろ言う方が無理なんちゃう?

俺のこと信じてないくせに・・・。

ああ、ほんまに可哀想な人やね。

俺なんかに捕らわれて・・・。


next

コメント
暗いなぁ・・・。
西野さんはDVです。
はい、すいません・・・。
今後、菅さんや宇治原さんも出てきます。
この話の苦情はメールでしてください。