<本当の事情>
それは、新すぃ○○で肝試しの収録が終わった後のこと・・・。
「関」
帰る支度をしていた関に相方である金成が声をかけた。
関はその不機嫌そうな声の低さからして、ろくでもないことだと判断し、無視を決め込む。
しかし・・・。
「おいっ!シカトしてんな」
「・・・何?」
やはり無視することはできなかった。
もし、無視し続ければ殴られるのは確実な雰囲気。
関は面倒くさそうに金成の方を向いた。
「お前、昼間の収録で何してた」
「昼間?」
昼間の収録といえば、浜辺でヤシ子の合コン写真を暴露していた時だ。
「友近に何してた」
「ああ・・・」
昼間、関は友近の肩に手を回し、小さい身体を抱き寄せていた。
金成はそのことを言っているのだ。
「収録中だから何も言わなかったけどな、お前いい加減にしろよ」
「何がー?」
「迷惑だと思わねぇのかって言ってんだよ!」
「思わない。大体、嫌がってなかったじゃん」
「収録中だから我慢してたんじゃねぇのかよ」
「収録中でも、嫌だったらそれとなく離れるだろ」
関の飄々とした態度に金成の怒りは増す一方である。
「つうかさ、金成だって友近の手握ったことあるじゃねぇか」
「は?」
「必要以上にさわってるし」
「それはただのツッコミだろーが!」
「お前も人のこと言えないっつの」
睨み合う二人。
すると、そこへフットボールアワーの二人がやって来た。
「何してんねん、お前ら」
二人の異様な雰囲気を感じとった後藤が声をかける。
「・・・じゃあ、後藤はどうなんだよ!」
「あ?何のことや」
いきなり話題をふられ、後藤の頭上に?マークが浮かんだ。
「後藤はホモだから問題外だろ」
「な、何言うてんねん!関!!」
「え?お前、岩尾と付き合ってんじゃねぇの?」
「あ・・・いや・・・」
たじろぐ後藤。
しかし・・・。
「後藤くん」
「なんや?のん」
「疲れたから早よ帰ろうや」
「せやなvv」
岩尾の発言にニコニコと笑顔を浮かべ、さっさとその場から離れていく。
そんな二人を見送り、金成が溜息をついた。
「確かに、後藤は問題外だったな」
「だろ?」
「でも、今はそういう問題じゃねぇ!」
「しつけぇな」
うんざり、とでも言うかのように関は溜息をつく。
その時、関の携帯が鳴った。
「あ、電話だ!」
「あ!おい、関!!」
それをいいことにその場から走り去る関。
残された金成は悔しそうに舌打ちをした。
・
「もしもし?」
少し離れた場所で電話に出た。
当然、誰からかかってきた電話なんてのは着信音ですでにわかっている。
『関くん?何してんの?』
「ごめん、金成に捕まってた」
耳に飛び込んできたのは関の大好きな人の声。
『うち、もう何分も待たされてるんやけど?』
少し怒った感じがまた可愛い。
「ごめん!すぐに行くから!!」
『わかった。すぐ来てよ?』
溜息まじりに彼女が笑ったのがわかる。
そんな何でもない仕草や行動に胸が鳴った。
携帯をしまって、一人ニヤける。
「金成には悪いけど、こういうことなんだよなぁvv」
一人で小さく呟き、愛しい彼女の元へ急いだ。
・
「友近!」
「関くん」
遅刻した自分を笑顔で迎えてくれる友近に自然と顔が緩んだ。
end
コメント
雨音さん、いかがですか?
こんなんでいいですか?
友近さんがあまり出てきてませんが・・・。
すいません。こんなのでよければお受け取り下さい。