<激愛2>



ねぇ、貴方をそうさせたのは誰?

全て、俺のせい・・・?



「梶、その傷どないしたん?」
「転んだだけです」
「どんな転び方したらそんな傷できるん?」
「・・・ほんまに、転んだだけですよ」

宇治原さんの視線が痛い。

この人は頭がいいから、気付いてしまうかもしれへん。

「梶、話があんねんけど」
「・・・なんですか?」
「ちょお、来て」

ここじゃあかんの?
西野が見てるやんか。
ねぇ、何でここじゃあかんの?

「宇治原さん・・・ここじゃ、駄目ですか?」
「あかん」
「・・・わかりました」

西野が見てる。

ああ、今日もぐちゃぐちゃにされるんかな・・・。





「西野」

「なんですか?」

「梶の身体の傷・・・あれ、どないしたん?」
「菅ちゃんには関係ないやんか」
「お前が・・・つけたんやろ?」
「・・・なんで?」
「梶を見ればわかるわ」
「ふーん」
「なぁ、梶のこと愛してんやろ?」

菅の言葉に、西野は目を細めた。

「愛してますよ」

「なら、なんで!」
「愛してるからや」
「・・・」
「梶が悪い。梶が俺以外の奴に笑いかけるから」

アイツは、俺だけのものやのに・・・。

「西野・・・梶じゃなきゃ、あかんの?」

「どういう意味ですか?」

「俺、西野のこと・・・好きやねん」

「へぇ」

「・・・俺や、あかん?」

西野は何も言わなかった。
顔を赤くして、小さく震える菅を冷たく一瞥し、その場を離れた。





「梶のことが好きやねん」

「・・・え」

「俺と付き合ってくれへん?」
「でも、俺は西野と・・・」
「わかってる。けどな、ほんまに西野のこと好きなん?」
「あ、当たり前やないですか・・・」

「梶・・・ほんまに?」

「・・・俺、宇治原さんとは付き合えません!」

「梶!!」


あの目で見つめられるのは怖い。
全てを見透かされそうで・・・。

西野・・・西野・・・助けて。





「梶、どこ行ってたんや」
「西野!」
「・・・どないしたん?」
「西野・・・ごめん・・・ごめんなさい・・・」
「何で謝るん?」

西野が優しく俺を抱きしめる。

「ごめん・・・西野・・・・ごめん」
「謝るようなことしたん?」
「・・・」
「じゃあ、お仕置きせな・・・・あかんな?」



黒く・・・何よりも黒く・・・。

ああ、なんて黒く笑うんやろ?

俺のせい?

俺のせいで、そない笑うの?


「西野・・・ごめん、なさい・・・」

「大丈夫やで」

「ごめんなさい・・・」

「俺の・・・愛しい梶・・・」

「ごめんなさい・・・」

「俺だけのものや。他の奴になんか渡してたまるか・・・」



ねぇ、貴方をそうさせるのは俺?

もし、俺がいなかったら・・・。

貴方は自分を失わずにいられたのかな。



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コメント
暗いなぁ・・・。
DVの人は優しい時は優しいそうな。
怖いなぁ・・・苦情が。