<そんなに急がないで>


「西野、何でそない急ぐねん」
「やって、急がないと映画始まりますよ!?」
「まぁまぁ」

のんびり歩く俺をじれったいとでも言うかのように見つめる西野に自然と頬をゆるむ。

こういうところが可愛えなぁ。

なんて、俊の言う通り・・・俺ってオヤジ発言多いなぁ。

「あー!もう始まってますよ!?」
「あ、ほんまや」
「この映画、見たかったのに・・・」

悔しそうに下を向く俺の恋人。
普段は男前とか言われるけど、ほんまはこんなに可愛い。

「どうせ梶に自慢されただけやろ?」
「そうですよ!高井さんと見たんやーvv言うてめっちゃ自慢してきましたからね!」

俊と梶は付き合っている。

「まぁ、ええやんか」
「・・・何で中川さんはそうなんですか?」
「なにがやねん」
「いつもいつも・・・何でそんなにのんびりして・・・」
「急いでばっかりじゃ疲れるやろ」
「・・・そうかもしれないですけど」
「まぁまぁ、亮廣」
「・・・っ////」

あ、顔赤くした。

「名前呼ばれるの慣れてへんもんなぁ?」
「・・・っ////」

悔しそうに俺を睨みつけている。
俺はニヤニヤしながら可愛い恋人を見つめた。

「・・・たーちん!!」
「!?」

あかん・・・不意打ちや。

「たーちん、顔赤いで?」

してやったり、とでも言いいたげな顔して。

「亮廣、やっぱり俺の家に行かへん?」
「え・・・////」
「何考えてんねん?エロいなぁ」
「そ、そんなんちゃうわ!!」

ああ、やっぱり可愛えわ。

「なぁ、亮廣」
「ん?」
「もっと、ゆっくり歩いてみようや」
「・・・うん」
「あんま急ぐと、見えるもんも見えへんで」
「・・・せやな」

あんまり急がないで。
もっとゆっくり歩いて行こうや。

end

コメント
初・・・西野受け!?
ありえねー!私にしては、ありえねー!!
しかも中川×西野かよ!微妙に高梶だし。
はっはっはっ・・・笑っとけ。