<気持ちの行方>


僕の気持ちは何処に流れていくのでしょうか?

去り行く貴方を止めることも追いかけることもできず。

僕はただ静かに涙を流す術しか知らず。

貴方への想いをどうすることもできず。

寂しさのあまり、彼の元へ行くしかなかった。

こんな弱い僕のことを、貴方は軽蔑しているかもしれないけど。

本当は、今でも・・・。


「菅、どうかしたか?」
「あ・・・え?」
「珍しいやんか。お前がボーッとするなんて」
「・・・ごめん、うーちゃん」
「別にええけど、疲れてるなら寝てもええで」

優しいな、うーちゃんは。

「大丈夫やって!それより、早くネタ考えないと!」
「・・・疲れたなら言えよ?」
「ありがと!」

本当、何でこんなに優しいのかな。
高校の時からの付き合いで、今は相方であり恋人。

だけど、ほんまは気付いてるんやろ?

俺が、今でもあの人のこと愛してるって・・・。

「菅・・・」
「ん?」
「俺のこと、好きか?」
「好きに、決まってるやん」

心臓の鼓動が大きく聞こえた。

「お前、ほんまは・・・」
「俺はうーちゃんと付き合ってるんやで?」
「・・・今でも、あの人のこと・・・」
「ちゃうって!もうあの人のことは好きでも何でもないって」

言わないで。
泣きそうになるやんか。

あの人のことを思い出しちゃうから。

「うーちゃん!!」
「・・・」
「・・・お願いやから、俺のこと・・・」
「わかった。ごめんな」
「・・・俺こそ、ごめん」

本当は今でも好きやねん。
あの人のことが好きで好きで・・・。
遠くに行ってしまったあの人のことが、好きでたまらない。

全てを投げ出して、あの人の所へ行けたなら。

「うーちゃん・・・何で、あの時・・・」
「・・・」
「俺のこと・・・」
「俺は、高校の時から菅が好きやからな」

わかってる。

あの人と別れて、悲しくて寂しくて仕方なくて・・・。

それで、俺はうーちゃんの所に逃げ込んだ。

うーちゃんは俺を優しく受け入れてくれたけど。

ほんまは、悲しいんやろ?

俺のこと、嫌いになれたらって思ってるやろ?

俺が、いつまでもあの人のことを忘れられないから。

「・・・うーちゃん、ごめん」

こんな弱い俺なんか、誰にも愛される資格ないねん。

ねぇ、貴方と過ごした日々を思い出すと涙が溢れて来るよ。

・・・祐樹兄。

「愛してる・・・今でも、ずっと・・・」



貴方の心には、誰がいるのでしょうか?

そこに僕がいないのは確かやけど。

それでも、僕は貴方のことを愛しています。


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コメント
宇治菅→松口です。
はい!すいませんね!!(ひらきなおり)
しかも、続きます。
ごめんなさいぃぃぃぃぃ。