<理解するには難解すぎる>
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何故、こんな奴が好きなのか?
我ながら理解できねぇ。
こんな見てくれだけど、女性経験は豊富な方だ。
中学の時なんか保険教諭と付き合っていた。
高校にあがってからも何人もの女の子と付き合った。
それなのに、どうして今の俺はこんな奴に惚れてんだ?
男で、相方で、モデルガンにしか興味ない奴に。
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「・・・はぁ」
インパルス様という紙が貼られた楽屋。
堤下は机に頬杖をついて溜息をつき、目の前にいる板倉を見やった。
板倉は相方の何度目かわからない溜息など気にもせず、ただ黙って雑誌を読んでいる。
ちなみに、雑誌の名前は「コン○○トマガジン」。
板倉の愛読書である。
「・・・はぁ」
再度、溜息をついてみるが、やはり板倉は無反応。
「板倉」
声をかけてみるが、やはり応えはない。
「なぁ、板倉」
もう一度声をかける。
「板倉」
もう一度。
「おい」
もう一度。
「板倉」
だんだん、イライラしてくる。
そんなに気が長い方ではない堤下は溜息をついて楽屋を出ようとした。
その時、堤下に待ちに待った声がかけられる。
「根性ねぇな」
「・・・」
振り返ってみれば、板倉が雑誌から目を離してニヤニヤしながら堤下を見ていた。
「お前は短気をなおした方がいいな」
「・・・聞こえてたのか?」
「聞こえない筈ねぇじゃん。お前の158回の溜息もな」
「・・・」
「五回無視されたくらいでキレんなよ」
「何で無視してんだよ」
「わかんねぇ?」
「あ?わかるわけねぇだろ」
「ふーん」
「何だよ」
板倉の反応にムッとする堤下。
そんな堤下を面白そうに眺め、板倉は笑った。
「お前がどれくらい俺のこと好きなのか試したんだよ」
「はぁ?」
「五回。たった五回とはな」
「・・・」
「悲しいなぁ」
「・・・意味わかんねぇ」
本当に、何でこんな奴が好きなんだ?
理解できねぇ。
「まぁ、難解な方が楽しめるじゃん」
「難解すぎんだよ」
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end
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コメント
こんなんでいいかなぁ。
初めてだから許してね!(死)
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