<ちびっこ万歳!お父さんは誰!?>


ある朝、目覚めたら身体が子供になっていました。

「・・・え?」





「あー、暇やわー」
「菅ちゃん、あんまり暇暇言わんとって」
「せやかて暇なんや!」
「でもなぁ・・・うわっ!あぶなっ!」

楽屋のソファにだらしなく横になり、菅は煙草を吸う。
宇治原は落ちそうになった灰を即座に灰皿で受けとめ、菅を横目で睨む。

「危ないやろ、火事になったらどうすんねん」
「かじ・・・そういえば、梶はまだ来てへんの?」
「まだみたいやで」
「つまらーん!こんな男ばかりのむっさい楽屋になんかいたくないー!男くさいのがうつるー!」
「せやったらトイレにでも行けばええやん」
「なんでやねん。お前らがトイレに行けばええ話や」
「なんじゃそりゃ!!」

どこまでも女王気質な菅はかなり機嫌が悪い。
そんな菅を咎めようと、近づいてきたのは高井であった。

「菅ちゃん、あんまり迷惑かけたらあかんで」
「せやかて暇ですやん!」
「まぁ、確かにな・・・」
「大体な、何で仕事もないのに俺らbaseに来てんねん!」
「みんな暇なんやろ」

今現在、楽屋にいるメンバーはロザン、ランディーズ、ビッキーズの須知、陣内智則、チュートリアルなどのメンバーであった。
今日は彼等に仕事はない。
しかし、珍しく仕事がないとなると暇で仕方なくなるようだ。
ゆえに、用もないのにbaseに集まって来ていたりする。

「ほんまですわ。こっちはいい迷惑です」

理不尽な先輩方に楽屋を追い出されてしまった仕事組。
麒麟の川島が迷惑そうにため息をついた。

「すまんなぁ、川島」
「ええやんか別に」

ケッと悪態をつく小悪魔。
そんな時、楽屋の扉が開いた。
入ってきたのはキングコング西野。

「おはようございます・・・うわ、すごい人や」
「おー、おはよう西野」
「おはようございます、高井さん」
「あれ?梶はー!?」
「梶はまだ来てないんですか?」
「西野!お前、相方やったらちゃんと連れて来いや!!」
「いたっ!何で叩くんですか、菅さん!大体、今日は仕事ないんですよ」
「じゃあ何でお前来てんねん」
「暇なんで」

結局はみんな同じなようだ。

「梶が来ないんやったら帰るかな」

菅が荷物をまとめて楽屋から出ようとした・・・その時!

ごんっ!!!

「いったー!!!」

開いた扉に何かがぶつかったような音と子供の声が聞こえた。

「なんや?」
「菅、どないしたん?」
「なになに?」

イチャこいているチュートリアル以外全員が扉に集まる。
そして、彼等が見たものは・・・。

「ふえぇぇ・・・いたいぃぃぃ」

一人の小さい子供。

痛そうに額をおさえ、涙を必死でこらえている。

「うわー、可愛い子やなー」
「誰かに似てへん?」
「じゃあ誰かの隠し子か?」
「あ、せやったら中川さんちゃう?」
「なんでや!」
「風俗行ってますやん」
「いやいや、以外と西野の子かも」
「んなわけないでしょ!」

わいわいと盛り上がっている芸人たち。
そんな中、高井が子供に近寄り頭を優しく撫でてやった。

「大丈夫か?どこの子やねん」

流石はWEST SIDEの母!

「たかいさぁん!」
「え?何で俺の名前知ってんねん!」
「おれ、かじわらですぅ!」
「はぁ?梶の隠し子かいな!」

ナイスボケである。

この言葉に、芸人全員が声を揃えた。

『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!?』

「梶の子供!?」
「まさか、別れた奥さんとの!?」
「そういえば、梶に似てる!」
「嘘やん!!」

混乱する芸人たち。

「ちがいます!おれがかじわらゆうたやねん!!!」

『はぁぁぁ!!?』

子供の新たな発言にまたもや混乱する芸人たちであった。


数十分後・・・。

「うわー、梶どないしたん?可愛くなってしもて」
「ふくださぁ〜ん(泣)」

小さい梶原は福田に抱っこされていた。
何故に福田かというと、一番安全だからである。

一方、他の芸人たちは・・・。

「そんなことあるもんなんやな」
「びっくりやわー」
「ってか、梶可愛すぎちゃう?」
「子供の時から可愛かったんやなー」
「確かに、かなり可愛い!」

今の梶原の姿は推定3、4歳。
普段の梶原をそのまま小さくしたような、まるで女の子と間違う程の愛らしさである。

「梶、何でそんなことになったんや」
「わからへんねん・・・おきたらちいさくなってんもん」
「変なもの食ったとか」
「くってない」
「何でかな・・・」
「おれもわからなくて・・・ここくればみんないるとおもって」
「そうかぁ」

高井が優しく梶原の頭を撫でた。
それが気持ちいいのか、梶原がネコのように喉を鳴らす。

『/////!!!!?』

これに反応する芸人たち(徳井除く)。

「可愛いなー、梶vv」

すると、福田がギューッと梶原を抱きしめた。

「あー!福、何してんねん!!」
「な、なに?徳井くん」
「俺にはそんなことせぇへんくせに!!」
「徳井くん可愛くないんやもん」
「なんやて!?」

ぎゃーぎゃーと痴話喧嘩を始める徳井と福田。
その喧嘩に巻き込まれては大変と、すぐさま高井が梶原を抱き上げた。
しかし、これに抗議するのが小悪魔こと菅。

「高井さんばっかりずるい!」
「え?」
「俺も梶のこと抱っこしたいのに!」
「でも、そうしてると・・・お父さんみたいですね」

『!!?』

川島の発言に芸人たちの目が光った。
そして一番に中川がニヤニヤしながら梶原に近づく。

「梶ー?」
「なんですか?なかがわさん」
「お前、その姿じゃ一人暮らし大変やろ」
「・・・そうや!どないしよー・・・・」
「せやったら、俺の家に来るか?」
「なんでですか!せやったら相方である俺が面倒見るのが普通でしょ!!」
「お前は犯罪おかすタイプやから駄目やって」
「陣さん!なんですか、それは!」
「幼児に性的虐待する気やろ」
「そこまで獣じゃないですよ!」
「あ、せやったら俺の家はー!?お菓子いっぱいあんでー?」
「すっちゃんの家なんかあかん!俺の家に来いや!」
「あー、うるさいで!!お前ら!!!」

ツルの一声とはよく言ったものである。
高井の怒鳴り声に喧嘩していたチュートの二人までもが黙ってしまった。

「とりあえず、今日は福田にまかせるわ」
「え?」
「なんでやねん!俺と福田の同棲生活を邪魔する気か!!」
「何言うてんねん、阿呆!」
「徳井、よお聞けや」
「ん?」
「あんな、子供がいる生活を満喫するチャンスやぞ」
「子供がいる生活?」
「言わば夫婦生活や。お前らに子供は出来ひんやろ?」
「!!」

高井の言葉にノってきたのか、徳井は即座に承諾した。

「福ー、早く帰ろうやーvv」
「高井さん、何言うたんですか?」
「まぁ、いろいろな。それより、梶のこと頼んだで」
「はいっ」
「福ー、雄太ー、早よ我が家に帰んでー」

もうすでに気分は父親らしい。

「お先に失礼します」
「こっちでいろいろ決まったら連絡するわ」
「はい。梶、みんなにバイバイして」
「え、はい・・・おつかれさまでしたぁ」

小さい手を振りながら楽屋を出ていく三人。

その直後、菅が不満そうに高井に詰め寄った。

「高井さん、何で福ちゃんやねん」
「一番安全やろが」
「徳井がおるけどな」
「あれは福田以外のいかがわしいことせぇへん」
「なんや、父親ぶってたけどな」
「・・・マジで変態やわ」

その後、残された芸人たちはこれからどういう順番で梶原の世話をするかをジャンケンで決めていったそうな。

その様子を始終傍観していた川島は・・・。

「・・・哀れやな、梶原」

と呟いていたとか。

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コメント
パロに置いた方がいいのか迷いました。
ですが、梶受けの方に置きます。
もう、いっそのこと・・・梶受け部屋を作るか?
それくらい、私は梶受けが好きです。
これからどうなるのでしょうか?