<チカラいっぱい愛してる>


「善之ー」
「何?」
「ゲームしてもええ?」
「ええけど、有野さんのはあかんで」
「何で?」
「こないだ間違ってデータ消したら殺されかけた」
「それはお前の不注意やんかぁ」

ドジやー、と笑う相方に胸が鳴る。
あかんわー、末期やわー。
俺、病気なんかなー。

「善之ー、俺の携帯鳴ってへん?」
「鳴ってるで」
「じゃあ取って」

せめて、目線くらいこっち向かせて頼めや。
ゲームに集中しすぎやで。

机の上で鳴っている携帯を取り、何気なく画面を見た。
すると、そこには「増田さん」の文字表示。

「・・・あ、切れたわ」
「何してんねんなー」

嘘。
わざと切りました。

「誰から?」
「知らん番号」
「あー、イタズラかもしれへんから消しといて」
「了解」

消して、言うたんはヤナやし。
俺はこの番号ほんまに知らへんし。
ええよな?

「ヤナー」
「今ええとこやねん」
「・・・」

休日なのに、何でゲームばっかりしてんねん。
珍しく家来たかと思ったらこれかい。

「・・・ヤナー」
「うわ!抱きつくな!!操作間違えたやんか!」
「いたっ!」

ごんっ!という音が響いた。
音のわりには大して痛くはない。
でも、わざと痛そうなふりをする。

「いたぁーー・・・」
「え・・・そんなに痛い?」
「痛いわぁ」

心配そうにコントローラーを放って近づいてくるヤナ。
ほんまは優しい子やて、わかってる。
だから、少しその優しさを利用しても罰はあたらへん。

「ヤナっvv」
「ぎゃっ!」

色気のない叫びがあがった。

「な、何すんねん!頭痛いんちゃうんか!」
「んー、治ったわ」
「・・・嘘やったん?」

ヤナが頬を膨らませて怒る。
でも、そんなん知らへんし。
押し倒してしまえばこっちのもんや。

「善之、何する気?」
「する事言うたら一つやん?」
「・・・嫌や」
「嫌や。する」
「嫌やって!まだ明るいで!?」
「暗くなってからならええの?」
「そういう意味じゃ・・・」
「でも、嫌や。今がええねん」
「ちょっ・・ふっ・・・んっ・・・」

無理矢理キスした。
でもな、強姦とちゃうで?
ヤナもノッてきたみたいやし。

「よ・・・よし、ゆきぃ」
「ヤナ?」
「ん・・・阿呆」
「その阿呆のこと好き?」
「うん・・・////」
「かわええなぁーvv俺もヤナ大好きやでvv」
「・・・っ////」

まるでトマトみたいや。
耳まで赤いで?

俺は恥ずかしそうに顔をそむけるヤナの頬にキスをした。

「ヤナ」

「ん?」

「愛してんでvv」

「・・・阿呆////」


end

コメント
甘いなぁ・・・。
久しぶりの平柳ですよ。
つうか、毎日更新してんな俺。
あまりに節操ないし、暇だ。