<阿呆な彼氏にご用心>


俺の梶はとにかく可愛いねんvv
大きくて色素の薄い瞳に、白くて細い華奢な身体。
まるで小猿みたいによく動き回る姿なんか最高に愛らしい!
そんな梶に上目使いで「西野っちvv」なんて言われた日には。

「くぅーーーー!!かわええーーーーー!!!」

「西野うるさい!!」

どかっ!

「いたっ!?」

いきなり受けた衝撃に俺を背中をおさえた。
あまりの痛さに少し涙目になってしまう。
っていうか、誰やねん!!

「誰や!人の背中蹴りやがって!」
「俺や!」
「す、菅さん・・・」
「お前がうるさいから蹴ったまでや。文句あるか?」
「・・・でも、いきなり酷いやないですか」
「けっ!お前うざいねん!どっか行け!!」

先輩といえど何てこと言うねん、この人は・・・。
小悪魔じゃなくて、魔王やがな。

「菅、流石にそれはないやろ」
「せやかて、宇治・・・」
「いくら西野がうざくても、はっきり言うのは可哀想やで?」

アンタの方が最悪や!

「そういうのは遠回しに言うもんや」

まだ言うか!!
不細工目窪のくせに!

「せやな!ごめんなぁ?西野」

嫌味か?

「ところで、西野は何で騒いでたん?」
「あ、これ見てたんです」
「んー?」
「なになに?」

俺が見せたのは携帯の待ち受けにしている梶の寝顔ショット!
普段、梶は恥ずかしがって写メなんか撮らせてくれへんからな。
寝てる時にこっそり撮ったんや。

「うわー・・・」
「可愛いでしょう!?」

あまりの可愛さに言葉もないみたいやな、ロザンは!
流石は俺の梶や!!

「西野、その待ち受け送れ」
「あ、俺もっ」
「え!?いやです」
「何でや!先輩命令やぞ!」
「先輩でもそれだけはダメです!」
「お前、ただでさえ梶の相方というおいしいポジションにいるくせに何やねん!独り占めすんなや!!」
「梶は俺の恋人です!」
「いつ決めたんや、いつ!」
「俺たちは相思相愛ですからvv」
「ぐわー!むかつくわー!!」
「何で西野やねん!俺の方が可愛いやんか!」
「それは、やっぱり俺が男前やから」
「阿呆ぬかせ!お前なんかより井上さんの方が男前や!」

ここで徳井の名前を出さないのがミソである。by海莉

三人の言い争いがぎゃーぎゃーとうるさく響いた。
その声は廊下まで聞こえており・・・。

「うるさい!!!」

バンッと勢いよく楽屋に入ってきた高井に渇を入れられる三人。

「お前ら、スタッフや他の芸人の迷惑を考えろや!!」
「すいません」
「せやかて、高井さん!西野ずるいんやで!!」
「何がやねん」
「梶の寝顔を独り占めしてるんや!」
「は?」
「ほら、これ!」
「あ!菅さん!!」

俺から携帯を奪い取り、高井さんの目の前に可愛い梶の寝顔をつきつける菅さん。
やばい・・・やばいで。
ここで高井さんまで入ってきたら、ややこしいことに・・・。

「西野」
「は、はい?」
「お前、これを撮ったいうことは梶の家に泊まったんか?」
「え?いえ、梶が俺の家に・・・っあ!!」
「梶が西野の家に?」
「まさか、お前・・・」
「梶に手出したんやないやろなぁ!!?」

怖いわ、菅さん。
というか、高井さんの背後に夜叉が見える!?

「西野・・・」

やばい!何がやばいって、俺の命がやばい!!
殺されるーーーー!!!

が、その時。
楽屋に天使が舞い降りた。

「西野っちー?いるー?」

俺の愛しの梶や!!

「か・・・マイハニー!!!」
「うわぁっ!に、西野っち?どないしたん?」
「先輩らが苛めるんやー!」
「先輩たち・・・?」

梶が目の前にいる三人をちろっと見上げる。

「ち、違うで?梶!」
「そうや!別に俺らは西野を苛めようとしたわけじゃ・・・」
「っていうか、これは先輩指導というか・・・」

必死で言い訳してる三人が阿呆みたいやわ。
あー、面白っ!

「菅さん、宇治原さん、高井さん・・・」

「か、梶?」

梶が可愛い目でキッと三人を睨み付けた!

「西野っちのこと苛めんといて!!」

梶・・・俺のためにvv
せやけど、全然怖くないで?
むしろ・・・可愛すぎる!!

「西野っち、大丈夫?何もされてへん?」

大丈夫やで、と言おうとして考える。
そういえば、さっき菅さんに蹴られたな。

「梶、菅さんが俺の背中蹴ったんや」
「菅さん!!!」
「ご、誤解やって!確かに蹴ったけども・・・」
「西野っちのこと苛めたら許さないですよ!」
「か、梶ぃぃ」

はははははははははっ!ざまーみろや!!

「梶、もうええから行こ?」
「でも・・・」
「ええって。梶さえいてくれたら俺はそれで十分やから」
「西野っちvv」

可愛らしく俺に抱きついてくる梶を連れて、俺は楽屋を出た。
悔しそうにしている三人を一瞥するのを忘れずにな。

アンタらに梶は渡せへんねん。

「梶、そういえば用があったんちゃう?」
「ううん!西野っちがいないから心配やったん」
「梶vvかわええ!」

やっぱり梶は最高に可愛いわー!

end

コメント
おそらく、西野さんはこの後で闇討ちにでもあうでしょうね。
ええ、あの三人に殺られますね。
はははっ!こんな阿呆な西野さんを書くのは久しぶりだなぁ。
笑っとけー!!!