<雲のように>


ふわふわと浮かぶ雲をボーッとしながら見つめる後輩。

こっそり後ろから近づいてみても、気づく気配すらない。

雲をボーッと見つめてる後輩。

何だかムカついた。


「おいっ」

少し強めに叩いたら、数秒あけてから俺の方に目をやる。

「・・・痛いです」

鈍すぎ・・・。

「何してんねん」
「雲、見てます」
「それはわかってんねん」
「じゃあ何ですのん」
「・・・別に」

用なんてない。
ただ気になっただけ。

なんや、阿呆みたいや。

「楽しいか?こんなん見て」
「楽しくはないです」
「じゃあ何で見てんねん」
「いいなー、と思って」
「雲がか?」

「はい」

「・・・まぁな」

ふわふわと漂う雲を寝転がりながら見つめる。

ふと気がつくと、横で寝息をたてる後輩。

「・・・寝顔も不細工や」

俺も人のこと言えへんけどな。

「子供みたいな顔しやがって」

その頬を触れようとした瞬間、コイツの相方の声。

「何してはるんですか?」
「別に」

相変わらず、ムカつく奴。

「そのままやったら風邪ひくで」
「言われなくても」
「じゃあな」

不審そうな顔してる鳥顔の後輩を一瞥し、立ち上がってその場を離れる。

後ろを振り向けば、鳥顔が大声でアイツを起こしていた。

「・・・」

そんな光景を見て、何故だか胸が痛かった。


end

コメント
またやりました。
苦情がある方は毒針ロックを読むべきです。
だって、そうとしか思えませんよ!
たとえ、ロック兄が浜あゆのファンであっても!!!