<眠たげな天使>
某クイズ番組収録前。
キングコングの楽屋にて、梶原がソファの寝転がり熟睡しきっていた。
起きている時も可愛いのだが、寝顔も破滅的に可愛い梶原。
そんな梶原をニヤニヤしながら見つめる男が一人。
その男の名は西野。
梶原の相方だ。
「かわええなーvv」
ちまたでは男前だの言われている彼だが、すっかり頬をゆるみきった顔はとても男前だとは形容しがたい。
「襲いたいわーvv」
何を言っているのでしょうか?
そんな変態的な言動をしている西野。
梶原、貞操の危機である。
しかし、ここは楽屋。しかも収録前。
流石の西野も理性を保とうと必死になるが。
「・・・あかん、可愛すぎや」
無防備な寝顔を前にして、理性を保てる男など男じゃない。
「いただきますvv」
あっさり理性を捨てさり、梶原にキスをしようとする西野。
が、しかし!
「なーにしてんのかなー?西野くん?」
地獄の底から這い出てきたような低い声が西野の耳に飛び込んできた。
その声の主にがしっと頭を掴まれ、西野の顔が青ざめていく。
「・・・っつ」
ゆっくりと振り向いてみると、そこには笑顔だがあきらかに怒っている菅の姿があった。
その背後には宇治原もいる。
「す、菅さん・・・」
「西野、ええ度胸してるやんか?」
「う・・・」
「菅ちゃん、これはどうしたらええやろな?」
「当然、死刑やろ」
「し、死刑って・・・」」
「梶に手出そうとしたんやから当然やな」
菅と宇治原が顔を見合わせ、にやりと笑った。
この時、西野は自分の生命が今日で絶たれることを覚悟したとか・・・。
が、その時。
「・・・ふ・・・ん?」
梶原がゆっくりと身体を起こした。
「か、梶・・・」
西野が安堵のため息をつき、ロザンが残念そうに舌打ちをする。
「・・・うー?」
梶原は眠そうに欠伸をし、ネコのように身体を伸ばして目をこすった。
その姿はまさに小動物!
そんな愛らしい梶原に、菅が抱きつく。
「梶ーvvかわええーvv」
「う?すが、さぁん?」
「眠いか?」
「うー・・・」
眠そうに菅の肩にあごをのせ、梶原が小さく唸った。
菅はご満悦な様子で梶原の頭を撫でる。
すっかり二人の世界であるが、これに黙っていないのがこの人。
「菅・・・」
「なんや、宇治原」
「それは抜け駆けやろ」
「悔しいか?」
「そら、な」
「悪いけど、今日は引かへんで」
「ずるいやん」
小悪魔の笑みを浮かべる菅に苦笑する宇治原。
流石に菅と張り合うことに勝機がないことは承知しているよう。
しかし、納得しないのはこの男。
「菅さん!梶を離してください!!」
「うるさいで、西野」
「で、でも宇治原さん!」
「菅、これは引き取ったるわ」
「悪いな」
「キス以上はあかんで」
「わかってるわ」
「キスって何ですかーーー!!」
ずるずると宇治原に引きずられ、楽屋から連れ出される西野。
その悲痛の叫びは廊下からも聞こえていた。
「梶?まだ眠いか?」
「・・・んー・・・」
二人きりとなった楽屋で、菅は梶原を抱きしめたままソファに座る。
一方、梶原はまだ完全に起きてはいない様子。
「寝てもええで?起こしたるし」
「う・・・菅さん」
「ん?」
「ギューって・・・して」
「・・・かわええな、お前は」
「う?」
菅は梶原を少し強めに抱きしめると、梶原はフニャっと微笑んで目を閉じた。
「ほんま、かわええ奴」
しばらくして聞こえてきた寝息に微笑み、触れるだけのキスをする。
とりあえず、あと一時間はこのままで・・・。
勝利者・菅
end
コメント
可哀想な西野さん☆
宇治原さんと菅さんの間には何やら協定が結ばれている様子。
どちらかが選ばれたら身を引くみたいな。
はははははー。
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