<バイク>


「・・・松口さん、バイクって高いですよねぇ」
「・・・は?」

吸っていた煙草を灰皿におしつけ、潤が読んでいた雑誌を取り上げる。

「・・・バイクの免許、持ってたか?」
「いえ」
「とるつもりなん?」
「はい」
「・・・やめとき」
「なんでですかっ」
「似合わん」

松口の言葉に潤は悔しそうに頬を膨らませる。
そんな子供のような行動に胸をときめかせつつも、松口は何とか平静を装った。

「ガキ」
「どうせっ・・・」
「そういうとこが」
「・・・」

もう何を言っても無駄と判断したのか、潤は涙目になりながら松口から顔をそむける。

「・・・井戸田」
「松口さんばっかり、ずるい」
「何でやねん。バイク乗りたかったらいつでも乗せたるで?」
「・・・それじゃ嫌なんですっ」
「は?」
「だって、バイク乗ってる時の松口さん・・・」
「なんやねん」
「・・・かっこいいから」

恥ずかしげもなく言ってのける潤に松口の顔が熱くなった。
こういう時、松口は馬鹿正直な潤が羨ましいと思う。
素直ではない自分には有り得ないことだ。

「松口さん、かっこいいから・・・何だか、おいてかれそうで」
「・・・」
「だから、俺もバイク乗りたいんです・・・少しでも対等でいたいから・・・」
「・・・井戸田」
「え・・・うわっ!」

松口は潤を強く抱きしめた。
いきなりのことで慌てた潤が抗議の声をあげる。

「な、なんですかぁ!」
「お前、かわええやっちゃな」
「はぁ!?子供扱いはやめてください!」
「子供扱いやないで?」
「・・・絶対にそうだ」
「まぁ、何でもええけどな」

そう呟いて潤の額に子供のようなキスをした。

「・・・っつ////」

ただそれだけで顔を赤くする潤を更に強く抱きしめる。

「なぁ、井戸田」
「はい・・・?」
「やっぱりバイクは乗らんでもええやん」
「で、でも・・・」
「俺の後ろに乗ってればええやん」
「・・・」
「言うとくけどな」
「・・・?」

「俺がお前を後ろに乗せたいから言うてるんやで?」

「・・・・////はい」

耳まで赤くなった顔を見られたくないのか、潤は松口の胸に顔を埋めた。


end

コメント
松潤はブームですね。
あっははははは!
私の中でロック兄は究極の男前なんです。
すいません・・・。
でも、絶対に松口×大上は書きません。