<深夜の密会>




「みんな、馬鹿だから騙されるんだってば」


「・・・面倒くせぇこと言うな」

「だって、馬鹿なんだもん」



楽しそうにクスクスと笑う金色のそれ。

その横で、面倒くさそうに溜息をつく天才。


二人は深夜になるとこうして出会う。

待ち合わせをしているわけでもなく、どちらかが会おうと言うでもなく。

ただ自然に、この場所に来てしまう。


「シカは、俺のこと気づいてた?」

「・・・まぁな」

「いつから?」

「・・・忘れた」



確信したのは中忍試験。

疑問を抱いたのはアカデミーに入ったばかりのころ。


大人に嫌われる子供。

コイツへの印象はただそれだけだったはず。

「ナルト」

「ん?」

「お前、いつか抜ける気あるか?」

「・・・そのうち」

「その時は声かけろよ」

「なんで?」

「俺もついて行くから」

「・・・なんで?」

「面倒くせぇこと聞くな」

「・・・わかった」


蒼い瞳が妖しく輝いた。


「連れて行くってばよ」


今までに、コイツの笑顔なんて何度も見てきた。

その度に感じる違和感。

コイツの笑った顔は、こんなにも嘘にまみれていた。

それに気づいた時は思わず笑った。

他の誰も気づいていない。

俺だけが気づいていた。


「ナルト」

「あ?」

「俺のこと好きか?」

「さぁ?」

「・・・そか」

「満足?」

「上等」



お前の本心が読めたら、どんなに楽か。

面倒くさい奴に引っかかったもんだ。


「シカ」

「ん?」

「もうすぐ来るぜ」

「は?」

「嵐が来る」

「・・・そりゃ」




「面倒くせぇことだな」




end



コメント

初のシカナル。

地元では本とか出しまくってますがね。

うちのナルトはスレてますから。

あっははは!シカナル最高!!



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