<3話・新たなライバル登場?>




「大上ー」

「なに?松口」

「俺のクラスに新しい転校生来るってほんまか?」

「ほんま。保険医の陣内先生が言うてたで」

「面倒やなー・・・つうか、こないだ梶原が来たばかりやん」

「せやなぁ」

「・・・呑気やな、お前は」





今日も今日とて暇なコンビニ「WEST SIDE 」

しかし、この日は珍しくオーナーが仕事をしていた。

「・・・珍しいですね」

「ほんまやわ」

「明日は嵐や」

「いや、台風かもしれへん」

「・・・中川が仕事するのが珍しい言うのも悲しいもんやな」

「せやけど、何でですかね」

「さぁ?」

熱心に仕事をしている中川の姿を影から見守る?高井、菅、宇治原。

レジに客が来ているにもかかわらず、三人はそこから動かない。

ちなみに、西野と梶原はまだ来ていない。

「・・・福ー、まだー?」

「いや・・・店員さんいないんよ」

「ええやん。帰ろうや」

「あかんって。万引きになるやろ?」

「じゃあ、俺がレジ打つ」

「もっとあかんわ!」

「・・・暇ー・・・何か楽しいことないんかい!」

「徳井くん、漫画でも読んでればええやん」

その時、店内に一人の少年が入ってきた。

「・・・知らない子や」

「珍しいな。この店に俺ら以外の客が来るなんて」

そんなに客が来ないのも珍しい。

「何してんのやろ」

「キョロキョロして・・・挙動不審やな」

「・・・」

「まさか、万引きちゃうか?」

「えー?それはないやろ」

「いやいや。わからへんで?俺もあれくらいの時に・・・」

「徳井くん・・・万引きしたん?」

「昔の話やって!」

「・・・」

二人はその少年をしばらく見ていることにした。

その少年は確かに挙動不審で、何かを探しているのか店内をウロウロする。

「あやしい・・・現行犯逮捕せな」

「あ、徳井くん!?」

「おい、お前!」

「・・・現行犯逮捕って・・・まだ何もしてないよ」

しかし、福田の声など聞こえる筈がなく・・・。

徳井はその少年に近寄っていった。

「・・・なんですか」

徳井にお前呼ばわりされたのが気に入らなかったのか、少年は不機嫌そうに徳井を睨みつける。

「うわ!愛想ないわー。福、こいつ絶対に万引きする気やで!」

「はぁ!?」

「徳井くん!決めつけるんは良くないで!」

「せやかて、生意気そうやし」

「そんなん偏見やって。ごめんな?別に悪気はないねん」

「・・・あきらかに悪気あるように見える」

「なんやと、くそガキ!」

「徳井くんは黙ってて!何か、用でもあるん?」

「・・・この店に、知り合いがいるって聞いたから」

「その人の名前は?僕らな、ここによく来るから店員さんらと顔見知りやねん」

「・・・梶原雄太」

「え、梶くんの友達なん?」

「・・・まぁ」

「梶くんはまだ学校やと思うけど」

「学校?」

「ここから近所の高校に通ってんねん」

「ここから?」

「この上のアパートに一人暮らししてるから」

「・・・一人暮らし」

「君の名前は?」




「大上、その転校生の名前知ってるか?」

「えーと・・・何やったかな」

「中山功太やで」

「あ、陣内先生」

「自分の受け持つ生徒の名前くらい知ってほしいわ」

「興味ないことは覚えへん主義や」




「中山功太」

「中山功太くん?もう少しで梶くん帰って来ると思うで」

「・・・」

「愛想ないわー・・・お前、そんなんで世の中渡れへんぞ?」

「余計な御世話や」

「あ?先輩に向かってどういう口の聞き方やねん!」

「徳井くん!!ごめんな、功太くん」

その時・・・。

「梶、バイト終わったら俺の部屋に来おへん?」

「なんで?」

「カレー作るつもりやから一緒に食べよ」

「うんっ!」

店内に学生服を来た梶原と西野が入ってきた。

「雄太!!」

「え?・・・・あ・・・功ちゃん!?」

その姿を見るなり、安心しきったような顔で梶原に抱きつく功太。

一方、梶原も嬉しそうにしながら功太を受け入れていた。

「功ちゃん、どないしたん?」

「雄太が出ていったって聞いたから、転校してきたんや」

「そっかぁ・・・」

「雄太、会えて嬉しいで」

「俺も、功ちゃんにまた会えて嬉しいわ」

二人の異様な雰囲気に入っていけず、西野は面白くなさそうな顔をする。

というよりも、梶原を雄太と呼ぶ少年が気になって仕方ないようだ。

「か、梶」

「西野、俺の幼なじみの功ちゃんやで」

「幼なじみ・・・」

「雄太、誰?」

「友達の西野やで」

友達、という言葉に少しばかり傷つく西野。

功太はそれを見逃さず、にやりと笑いながら西野に手を差し出した。

「雄太の幼なじみの中山功太や」

「・・・西野亮廣や」

握手を交わしながらも、二人の間には火花が散っているのが見えた。

しかし、梶原には見えてないようだが。

「・・・福」

「なに?」

「何だか波乱の幕開けっぽいで」

「・・・せやね」

「巻き込まれる前に帰ろ」

「・・・うん」

「梶原、レジ打って」

「あ、はいっ」

会計をすまし、さっさと店を出ていく福田と徳井。

「そういえば、みんな何処におるんやろ」

梶原が店内をキョロキョロと見回すと、事務所から菅が出てきた。

「あ、梶ーvv」

そして、梶原の姿を見つけるなりギューッと抱きしめる。

「菅さん。何処にいたんですか?」

「事務所。珍しくオーナーが仕事してんねん」

「え!?」

梶原でさえ驚くとは、どこまで仕事してないんだ中川さん。

「お、梶・・・あれ?お客さんか?」

「ほんまや。珍しいわ」

「オーナーが珍しく仕事するからや」

続いて事務所から出てきた宇治原と高井が西野と睨み合っている功太に気づいた。

「俺の幼なじみの功太です」

「へぇ」

「何で西野と睨み合ってんねん」

「・・・イヤな予感するわー」

「え?どうしたんですか?菅さん」

菅の予感は見事的中する。

「雄太」

功太は西野から目線をそらし、梶原に近づいてきた。

「なに?功ちゃ・・・」

振り向く梶原の腕を引っ張り、そのまま頬にキスをする。

『!!!!!!?』

叫びにならない叫びがあがった。

「こ、功ちゃん!?////」

「小さい時はよくしてたやん」

「で、でも・・・いきなり・・・」

「びっくりした?」

「・・・した////」

顔を真っ赤にさせながら頬をおさえる梶原の髪を、愛しそうに撫でる功太。

そして、呆然としている他の四人に目線を向けた。

「・・・こういうわけやから」



何がこういうわけなのか、全くわからないのは梶原と仕事中の中川だけ。

その場にいた四人は功他の言っている意味を理解した。

「・・・強敵やな」

「中川が珍しく仕事なんかするから・・・」

「上等やんけ」

「か、梶がぁ・・・」

思うことはそれぞれだが、ライバルが増えたのは事実。

これからどうなると言うのか・・・?




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コメント

中山功太さんを出してしまいましたぁ。

あー・・・好きだぁvv

でもネタ見たことないから、どういう人かわからーん!

すいません。

次回は梶くんの過去がわかります!