<略奪的愛情>



俺だったら、お前のこと泣かせない。


「梶原のこと、奪ってもいい?」

「・・・は?」


男前だとか言われている顔が歪む。

お前なんか嫌いなんだよ。

アイツのこと泣かしてばかりいるお前のことなんか。

「中居さん・・・何を言うてるんですか?」

「わかんねぇ?梶原のことが好きなんだよ、俺」

「・・・アイツは俺のもんです」

「お前なんかといても梶原は笑わないじゃん」

「笑ってるやないですか、あんなに」

「・・・お前、本当に馬鹿なんだな」

「どういう意味ですか」

「そのまんまの意味だよ」

アイツが泣いていることに気づかないお前なんかに渡せない。

俺だったら気づいてやれる。

「お前じゃ役不足なんだよ」

「言葉が過ぎるんやないですか?」

そんな顔で睨まれても怖くない。

お前、ガキくさいんだよ。

梶原のこと束縛して、誰かに笑いかけただけで嫉妬して。

そんで自分は浮気してもいいってか?

ふざけんな。

梶原がどれだけ傷ついてるか知ってるのかよ。

どうせ理解しようとも思わないくせに。

お前はそれで梶原のこと悲しませて、アイツを縛りつけようとしてるのかもしれないけど。

「お前といても梶原は幸せになれないだろ」

「アンタなら幸せにできるって言うんですか」

「お前よりは、な」

俺だったら悲しませたりしない。

子供じみた嫉妬で傷つけたりしない。

青くさいお前なんかとは違う。

「奪うぜ」

「・・・させませんよ」

「・・・ま、俺が口出ししなくても」

「・・・」

「梶原がお前を見捨てるってのも可能性としてはありだし」

「な!?」

ほら、そうやって感情をむき出しにして。

だからお前がガキなんだ。

「・・・お前さ」

煙草に火をつけて、煙を吹きかける。

咳こむ姿を見て自然と笑みがこぼれた。


「あんまり思い上がらない方がいいぜ?」


end


コメント

レキさんに捧げます。

初のすまっぷ青×猿です。

ハマリそうな予感vv