<紅葉>


すごく綺麗な紅葉を見つけた。

その時、頭に思い浮かんだのはあの人のこと。

一緒に見たい、なんて・・・。

何だか気恥ずかしくて足を早めた。



「外に行きませんか?」

「面倒くさい」

「部屋にこもってばかりじゃ不健康ですよ」

「ジョギングしてるからええねん」

「・・・パソコンばかりしてると目悪くしますよ」

「もう悪くなってる」

「・・・外、行きましょうよ」

「嫌や。寒い」

「まだそんなに寒くないですよ」

「・・・」

「・・・松口さん」

「・・・」

「・・・外、行きましょうよ」

「・・・」

「・・・」

「・・・」

「・・・わかりました。もういいです!」

涙目になっているのを必死で隠しながら部屋を出ようとした。

その時、ぐいっと腕を掴まれて体がぐらつく。

「!?」

倒れる!と思った瞬間、松口さんに抱きとめられた。

「・・・っと、危ないで」

「な、松口さんが腕引っ張るからっ」

「ちょお、黙れ」

「え・・・っん・・・」

そのまま口づけられて、体から力が抜けていくのがわかった。

ずるい・・・。

この人は、本当にいつもずるいんだ。

「・・はぁっ・・・////」

「顔赤いで」

「だ、誰のせいだとっ」

「俺のせいやろ?」

「・・・////」

「何で、そんなに俺と外行きたいねん」

「・・・紅葉」

「は?」

「紅葉が、綺麗だったから・・・松口さんにも見せてあげたくて・・・」

「・・・・」

ガキくさいって思われたかな。

でも、本当に貴方に見せたいなって思ったんだ。

「・・・ガキ」

「どーせ・・・」

「ほんなら行こか」

「・・・え?」

松口さんが立ち上がって上着を羽織いながらそう言った。

「何してんねん」

「え・・・?」

「紅葉、見に行くんやろ?俺と」

「・・・・っはい!」



「たまには悪くないな」

「でしょ?」

「・・・」

あんな泣きそうな顔されて断れるわけないやろ。

「松口さん、綺麗ですねーvv」

「せやな」

子供のように無邪気にはしゃぐ恋人の横で、松口は静かに苦笑した。

・・・俺もコイツにだけは適わないみたいやな。


end



コメント

甘いですか?

甘い松潤が書きたくて・・・。

素敵なロック兄が書きたかった。

よかったよかった。