<灰色>



「徳井くん、何色に見える?」

「何が?」

「空ぁ」

「・・・青ちゃうの?」

「ちゃうよ」

「・・・福には何色に見えてるん?

「灰色」

青い空なんて、最後に見たのはいつだった?

ねぇ、徳井くん。

君の目には何色の空が見えてる?

「・・・福」

「ん?」

「福は、空が灰色に見えるん?」

「うん」

「いつから?」

「・・・いつからやろ」

「・・・」

ああ、そういえば・・・。

徳井くんを好きになる前は、まだ青い空が見えていた気がする。

「徳井くんのせいかも」

「俺のせいなん?」

「うん」

「・・・責任とるわ」

「ええよ、別に」

君のこと嫌いになるなんて無理だし。

責任とってもらっても意味ないし。

「徳井くん、僕と一緒にいてよ」

「うん」

この空はいつまでも灰色のまま。

end


コメント

切ない徳福が書きたくて・・・。

最近、小説に写真を入れるのが好き。