<時間>



ちくたくちくたくちくたくちくたく・・・。

ただ時だけが過ぎていく。

時計なんて意味がない、俺とお前だけの時間。

それなのに・・・。

ねぇ、どうして?

どうしてお前は時計ばかりを見つめるの?



「梶、何で時計ばかり見てんねん」

「・・・もう、何時間たちました?」

「さぁな。そんなんどうでもええし」

「・・・」

何で、そんなに哀しそうな顔すんねん。

「中川さん」

「なに?」

「身体悪くしますよ」

「せぇへん」

「・・・外、出ましょう?」

「嫌や」

外は嫌い。

外は、お前と俺を引き離そうとする奴等でいっぱいや。

「中川さん・・・外、出たい」

「あかん」

俺がおるんやから、ええやんか。

それなのに、どうして泣くんや。

「っつ・・・くっ・・・」

「梶、泣かんといて」

「中川さ・・ん・・・ごめ・・・ん・・・なさい」

「何で謝んねん」

「ひっく・・・ふっ・・・」

ただ泣きじゃくる梶の小さな身体を抱きしめて、やわらかい髪にキスを落とした。


ちくたくちくたくちくたくちくたく・・・。

時間だけが過ぎていく。

俺とお前だけの、二人きり。

時間なんて、もういらない。

俺とお前を引き裂く時間なんていらない。

だけど、お前がそんなに時間を気にするというのなら。

全ての時計を壊してあげる。


「中川さん・・・外に出ましょう?」

「嫌や」

「・・・俺、何処にも行かへんから」

「あかん。外の奴らは俺からお前を奪いよる」

「・・・中川さん」

「お前は、俺とここにおったらええねん」


ちくたくちくたくちくたく・・・。

二人の身体が朽ち果てるまで。

end


コメント

意味わかんねー。

しかも、またもや暗い!

何?二人で引きこもり?

ああ、病んでるー(俺が)