<山茶花>



闇の中に咲いていた。

白い白い山茶花。

まるで、君のようだと一人笑う。


「これ、何ていう花か知ってる?」

「・・・わかんない」

「山茶花、言うんやで」

「さざんか?」

「そ、山茶花」

「綺麗な花やね」

「梶みたいや」

「何言うてんの、西野っち////」

頬を赤く染めて君が笑う。

白い肌に赤はよく映える。

「・・・梶は、赤も似合うな」

「え?」

「白が似合うとばかり思うてたわ」

「そうかなー」

「うん。せやから・・・」

そう呟いて、梶の白い首筋にキスを落とした。

少し強めに吸うと、赤い痕が残る。

「んっ・・・西野?」

「ほら、梶は赤も似合う」

「・・・////阿呆」

「綺麗やで」

「・・・西野?」

不安そうに見上げてくる梶が愛しくてたまらない。

この白い花が俺だけのものであったなら。

「梶、愛してる」

白い白い山茶花。いつか赤い色で染めてみせませう。


end


コメント

暗い!

この話は菅梶の「赤と黒」の別バージョン!

あー・・・暗い暗い。