<痴話喧嘩>

「小沢さんの馬鹿!!」

潤の怒鳴り声が楽屋中に響いた。

その声の大きさに楽屋の目の前を通った羽田陽区が驚く。

「小沢さんなんか知らない!どっか行っちゃえ!」

かなりご立腹な様子で、潤は涙目になりながら小沢を睨み付けていた。

そんな潤に対し、小沢は困ったような顔をして必死に謝る。

「ごめん!本当にごめん!」

「絶対に許さない!」

「じゅーん・・・」

小沢は情けない声を発するが、潤はそっぽを向いて全く聞く耳を持たない。

何故に、こんなにも潤が怒っているのか。

それは小沢の携帯に送られてきたメールにあった。

さかのぼること、十時間以上前。

・回想・

♪〜♪〜♪〜♪

「あれ?小沢さんの携帯、鳴ってる・・・って、小沢さんいないし」

潤は小沢の携帯の画面を何気なく見た。

すると、そこには「明美vv」文字表示が・・・。

「・・・明美って誰?つうか、何?このハートマーク!」

そして、メールの内容を見てみれば・・・。

“一敬さん、この間は楽しかったですね!今度、一緒に飲みに行きましょうvv”

「どうしたの?潤」

「小沢さんの馬鹿ーーー!!!」

「えぇぇぇ!?」

・回想終了・

そして、今に至る。

「だから、あれはコンパに行った時に勝手に登録されたんだってば」

「コンパ、行ったんだ」

「児島さんに誘われたんだよ。断るわけには行かないでしょ?」

「ふーん?」

「いい加減、機嫌なおしてよ」

「随分と親しい感じのメールだったけど?一敬さん、なんて呼ばれてるみたいだし」

「いや、だから違うってば!」

その時である。小沢の携帯が鳴った。

小沢が携帯に出るよりも早く、潤は素早く小沢の手から携帯を奪う。

「あっ・・・」

しばしの沈黙・・・。

小沢は冷や汗を流した。

「小沢さん・・・」

ゴゴゴゴゴゴゴッという地鳴りのような音が聞こえてきそうなくらい、静かな潤の声。

携帯の画面には「明美vv」の文字表示。

「・・・何で、消してないの?」

「・・・いや、その」

「やっぱり、俺よりも女の子がいいんだ」

「え?」

「別れる・・・別れてやるー!!」

「えぇ!?」

「馬鹿ー!!」

そう叫ぶと、潤は勢いよく楽屋を飛び出していった。

小沢は急いで追いかけようとするが、楽屋を出た瞬間にトイレへ行っていたヒロシとぶつかる。

「うわっ!すいません!大丈夫ですか!?」

その反動で小沢が倒れてしまった為、ヒロシが手を貸そうとするが・・・。

「気をつけろテメェ!!」

あまりにドスがきいた小沢の恐ろしい声に固まるヒロシ。

そんなヒロシにかまわず、潤を追いかける小沢。

この時、ヒロシの自虐落語に新たなネタが追加されたとか・・・。

end

コメント

何ですかねぇ、これは。

私の中でヒロシさんはこんな感じなんです。

可哀想な脇役・・・。

メインは小沢×潤の筈なんだけどなぁ。

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