<アップルパイ>



「柳原、甘いの平気?」

「平気ですけど・・・」

「じゃあ、一緒に食べようや」


そう言って、岡田さんが俺に差し出したのはアップルパイやった。

聞いたら、仕事で行ったケーキ屋さんに貰ったらしい。

「増田さんは?」

「ん?アイツはええねん。どうせ食わへんし」

「ふーん」

「柳原は甘いの好きなん?」

「好きです」

「俺も、これくらいやったら好き」

「生クリームも好きです」

「あれは無理やわ」

二人で他愛もない会話をしながらアップルパイを食べようとすると・・・。

岡田さんが何か思いついたのか子供のような顔をした。

「柳原」

「はい?」

「食べさせたるわ。あーんして」

「えっ!?いいです!////」

「ええからええから」

この人は・・・少し強引やな。

笑顔やけど断るなんて許さへんって顔してるし。

・・・しゃあないなぁ。

「あ、あーん」

「ほい、あーん」

「・・・っ・・・////」

「美味しい?」

「はい・・・////」

口の中に広がるリンゴの香り。

かなり、甘く感じる。

「じゃ、俺にも食わせてな?」

「えぇ!?」

「食わせてやったんやから当然やろ」

それは、岡田さんが無理矢理やったんじゃ・・・とは言えず。

仕方なく岡田さんにも食べさせてあげた。

「甘い・・・なんや、甘いわ」

「そりゃそうですよ」

「柳原が食べさせてくれたからやな」

「なっ・・・////」

「はははっ!かわええなー、お前」

大きな手で頭を撫でられる。

たったそれだけだったのに、何故か心臓の音が大きく聞こえた。

「岡田さん」

「ん?」

「・・・何でもないです////」

「何よ、言うてみなさいって!」

「・・・何でもないんですっ!////」

end


コメント

岡柳ーvv久しぶりだなぁ。

この二人で書くとほのぼのするのは何故に?

ヤナちゃん可愛いなぁvv