<ティディベア>
「あ、後藤くん」
「んー?」
「見て、可愛いクマさん」
「あー?」
久しぶりに二人で外食した帰り、買い物したいという岩尾に付き合って入った雑貨屋で見つけたティディベアの人形。
「可愛いなー」
「のんはそういうの好きやな」
「可愛いやん」
お前の方が可愛いわ、とは流石に言えない後藤。
「欲しいわー」
「買うん?」
「どうしよ」
リボンをつけた小さな人形をギューッと抱きしめる岩尾。
たかが人形、とは思いつつも嫉妬を抱かずにはいられなかった。
「のん、帰るで」
「え、何で?」
「いいから帰るで」
「待ってよ、後藤くん」
岩尾の手を引っ張って雑貨屋を出る。
岩尾の顔はあきらかに不満そうだ。
「せっかく買おう思ったのに・・・」
「ええねん」
「何でよ」
「のんには俺がおるやん」
「・・・後藤くん可愛くないもん」
「阿呆か。俺は別に可愛くなくてもええねん」
「どういう意味?」
「俺は別にあんなクマなんか可愛い思わへんし」
「?」
「・・・いいから帰るで」
「クマさん・・・」
「・・・クマならいてるやん」
「えー?」
不思議そうな顔をする岩尾の手を強く握り、少し照れながら言う。
「お前」
「・・・僕は人間やで」
「わかってるわ!普通に返すな!」
「?」
「あーもー、ええわ」
「・・・後藤くん」
「あ?」
「コンビニでアイス買うてよ」
「何でやねん」
「クマの代わりやん」
「・・・」
そう言われては何も言えない後藤であった。
end
コメント
久しぶりの後藤×岩尾。
可愛い画像を見つけたので。
あははははは。