<ヤミ>



綺麗な綺麗な君の赤い血。

痛々しい吐き気を催すような傷跡。

それらは全て俺のせい?

それともあの人のせい?



「西野・・・好きぃ」

「・・・梶」

「もっと、もっと・・・抱きしめて」

「梶・・・もう・・・」

「お願いだから・・・俺のこと・・・」


安っぽい愛の言葉を交わし合う。

偽りの笑みを浮かべて、偽りの涙を流して。

そんな偽りだらけのお前。



「・・・なぁ、西野」

「・・・」

「お前、いつになったら返してくれんの?」

「・・・は?」

「梶」

「・・・」

「アイツは俺のなんやけど」

「・・・」

「お前に梶が救えるわけ?」


嫌な笑みを浮かべて笑う菅さんの言葉に怒りが沸き上がる。

アンタだったら梶が救えるとでも言うん?



「西野・・・好き?」

「好きやで」

「じゃあ、殺して?」

「・・・それは出来ひん」

「どうして?俺のこと好きなんやろ?」

「愛してるから・・・生きてほしい」

「生きてるの辛いねん」

「・・・梶」



俺がいてもあかんのか?

俺が側にいるだけじゃ、あかんの?

あの人ならお前は救われる?

俺じゃお前を救えない?




日に日に増えていく手首の傷。

人を信じることができないお前。


なぁ、お前は誰を愛してんの?



日に日に増えていく手首の傷は。

誰のために切ってんの?




end


コメント

ごめん、なおさん。

本当にやばいんだよ、私が。

本当にごめんなさい。

病んでる、俺が。