<君が奏でる歌>
耳に聴こえてきたのは聞いたこともない歌。
それを歌っているのは相方である宇治原だった。
「・・・何?その歌」
「知らへん?」
「初めて聞いた」
「この歌、めっちゃ好きやねん」
そう言ってまた歌いだす。
宇治原の歌声を聞いて思うこと。
コイツ、こんなに声きれいやったっけ?
「・・・宇治、音痴や」
「お前に言われたくないわ」
「・・・そうか」
「MDあんで。貸すか?」
「・・・」
宇治原が俺に差し出してきたMD。
だけど俺は受け取らない。
「いい」
「何で?」
「宇治が歌ってくれるのでいい」
「俺の歌なんか大して上手くないやん」
「でも、宇治の歌がええねん」
「・・・ふーん////」
少し顔を赤くして俺から視線をそらす宇治原。
何で、こんなに可愛いんやろ?
「何でやめんねん。歌え」
「歌えって・・・」
「宇治の歌が聴きたいねん」
「・・・////」
手に持っていたMDを机の上に置いて宇治原が歌い出す。
俺は、これ以上の歌手なんて知らない。
「ええ歌やな」
そう呟いて目を向けると、宇治原が耳まで真っ赤になっていた。
end
コメント
勝手に水沢成亮さまに捧げます。
気がついたら受け取ってくださいませ。
管理人は成亮さまの小説に惚れていますvv