<アイス>



「・・・アイス食べたい」

「ない」

「・・・買いに行かねぇ?」

「行かへん」

「よし、行こう」

「行かへん言うてるやろ」

「いいから行くよ、亮くん」

無理矢理、手を引っ張られて外に行く亮と淳。

夜なだけあって秋風が冷たい。

「寒い」

「寒いねぇ」

「帰りたい」

「アイスは?」

「別に食いたい言うてないやろ」

いつもいつも、淳は俺を振り回す。

俺の気持ちなどお構いなしで。

「仕方ないなぁ、亮くんは・・・」

「・・・」

「アイスの金は俺が出すよ」

「当たり前や!何で俺が出さなきゃあかんねん!」

意味がわからへん・・・。

「じゃあ、寒いから早く行こう」

「寒いなら行かなきゃええやん」

「アイス食べたいし」

「・・・自分勝手」

「うん」

笑顔で否定しない淳に脱力する亮。

そうしているうちに、手を無理矢理引っ張られる。

「早く行かねぇ?」

「・・・行くか」

結局、俺はコイツにだけは勝てへんねん。


そして、アイスの金も俺が支払うことになる。


end


コメント

第二段!ああ、淳の口調が変かも。

許してくださいまし。