<素敵に無敵>

その日、スピードワゴンの二人はオフだった。

小沢は潤のマンションに来て、二人きりで甘い一日を過ごすつもりだった。

しかし、そんな小沢の計画は無惨にも砕かれる。

今まさに、目の前にいる二人の男のせいで!

「井戸田くんが見たいって言ってた映画のビデオ持ってきたよvv」

「俺もその映画見てないんだーvv」

などと、いけしゃあしゃあと言ってのけるのはアンジャッシュの渡部と児島。

怒りに身を震わせながら二人を睨み付ける小沢とは対し、潤は笑顔で・・・。

「ありがとうございます!コレすごく見たかったんです!」

などと大喜びしながら二人を部屋の中に入れている。

『おじゃましまーす』

声をハモらせて部屋の中に入る二人。

しかも、その時に小沢を一瞥していくのを見逃さない。

「潤、あのさ・・・」

「小沢さんもあの映画見たいって言ってたよね、良かったじゃん」

「いや、そうなんだけどさぁ・・・」

「?」

鈍い潤に今の小沢の状況を察するなんて、高度な技はない。

小沢は溜息をついて、首を傾げている潤の頭を撫でた。

「ああ、可愛いなぁ潤は・・・」

「何言ってんの?お茶の用意するから座っててよ」

潤に言われるまま、小沢はアンジャッシュがいる部屋へと向かう。

そして、黙って二人を睨み付けた。

しかし、二人は全く動じる様子もなく・・・。

「そんなに睨むなよ、仮にもこっちは先輩だぜ?」

「そうそう。いつも一緒にいるんだから、休みの日くらいいいだろ?」

「よく言いますね。いつも邪魔してくるじゃないですか」

「二人があまりに仲良しだから、なぁ?」

「ちょっと羨ましくてな」

「そっちも二人で仲良くしてればいいんじゃないですか?」

「児島と?」

「渡部と?」

小沢の言葉にしばしお互いの顔を見合わせるアンジャッシュ。

「でもなぁ?」

「井戸田くんの方が可愛いし」

「潤は俺のなんですけど」

「そんなの、いつ決まったんだよ」

「コンビを組んだ時からです」

三人の間で険悪な空気が流れた。

すると、そこへ・・・。

「お待たせしましたー!」

紅茶のいい香りを漂わせ、潤の明るい声が響いた。

瞬間、一変するその場の空気。

先ほどの険悪ムードはどこへやら、あっという間になごやかな空気へと変わる。

「美味しい紅茶が手には入ったので煎れてみました!」

笑顔で三人に紅茶を出す潤に、三人の顔がゆるむ。

が・・・。

「あ、お茶菓子も持ってきますね」

と、潤が席を立つと・・・。

「あんまり、イヤらしい顔で潤を見ないでくれます?」

「君に言われたくないなぁ」

「お互い様だろ?」

またもや険悪ムード。

すると、そこへ・・・。

「喧嘩しないでくださいねー」

という潤の声が台所から聞こえてきた。

まさに鶴の一声である。

その言葉に黙り込む三人・・・。

「実家から送られてきた水羊羹です!」

素敵に無敵・・・。

最強なのは井戸田潤なのであった。

end

コメント

潤さん総受け気味ですね。

つうか、紅茶と水羊羹ってどうですか?

合わないですよね。私はイヤだ。

次回は陣内さんを絡ませたい。

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