<不可視>



心まで透明で、何も見えない。



「人の気持ちをわかってあげるなんて、そんなん無理に決まってますよね」

「・・・」

「だから、俺はそういう奴が大嫌い」

「・・・」

「俺の中に土足で入ってこようとする西野も、他の人たちも・・・大嫌いや」

「・・・」

「人の気持ちなんて誰も理解できないものなんです」

「・・・ふーん・・・で、何で俺にそんなこと言うわけ?」

煙草を取り出して火をつけた。

紫煙を肺の中で循環させ、目の前にいる梶原を見据える。

すると、梶原はニッコリと微笑んだ。

「中居さんは、俺と同じ匂いがするから」

「俺、お前みたいに猿臭くないぜ?」

「酷い!そんなんちゃいます!」

「わかってる」

「ですよね」

いつもの微笑みなどなく、いつもの無邪気さなどなく、そこにいるのは精神の侵された梶原という名前の青年。

そんな梶原を黙って見つめ、中居は煙草をもみ消した。

「俺とお前を一緒にされちゃ困るんだけど」

「えー?」

「お前みたいに弱くないし」

「知ってます。中居さんは強いですよね」

「・・・それも微妙だけどな」

何とかここまで生き残ってきた自分だけど、決して強いわけでも弱いわけでもない。

「俺はラッキーなんだよ」

「へぇ」

「お前は?」

「わかんないです」

「いい相方、いるじゃん」

「どうなんですかね」

輝きのない硝子玉のような目を細ませてまた笑う梶原。

その笑みは何処か狂喜じみていて、哀しみが滲み出ていた。

「・・・俺、お前と一緒にはされたくねぇ」

「残念ですわ」

「でも」

「でも?」

「お前のこと好きだわ」

「俺も中居さんのこと好きや」

「だから・・・」

「だから?」

「お前の中に入らせて?」



硝子のような奇麗な心。

全てが透明。色などなく。

鮮やかな色は全て塗りつけられたもの。



透明ゆえに、不可視。



だから、お前は俺さえも拒む。

あの、いけ好かない相方でさえも拒むお前は。

誰にも心を許さない。



「あかんよ、中居さん」



硝子のような心に色を入れてやりたいと思うのは。


俺の自己満足か?



end


コメント

あー・・・意味わかんねー。

中居さんは梶の闇に気づいてまして、助けてあげたいんです。

でも梶は他人に心を開くのが怖いので、拒んでしまう。

だけど、仲間は欲しいという・・・。

意味わかんないや。