<嫌悪と憎悪と愛情と>



君への想いを、どうやって表現すればいいのだろう?



いつものように、僕の耳元で愛を囁く君。

そんな君への感情は、とうの昔にとてつもない嫌悪へと変化している。

君は僕のことを好きだとか愛してるだとか言うけれど、僕は君にそんな感情を抱いてない。

ねぇ、本当は気づいてるんやないの?

徳井くん、僕は君のことなんか・・・。

「・・・福、言わんといて」

「どうして?」

「それを言われたら、俺は・・・」

「壊れてまうの?それとも、死ぬの?」

「・・・福」

「そんなん、どっちでもええよ」

「・・・」

「僕はただ、君から解放されたいだけなんやから」

「・・・」

「もう、満足したやろ?僕のこと、いっぱい抱いたやんか」

「福・・・俺はお前から離れたくないねん」

「僕は君のこと」

「言うな」

「言わせてや。もう我慢するのも嫌やねん」

もう、君の我侭を聞くのも嫌。

君に抱かれるのも、キスされるのも。

君に哀願されても、僕はもう君への愛情なんて冷めきっているから。

そんなん、するだけ無駄なんよ?

「徳井くん、いい加減やめてよ」

「・・・」

「もう、嫌やねん」

「・・・」

「君に付き合うの面倒くさい」

「・・・福」

「茶番は終わりにしよう?」

君は男前やから、可愛い彼女がすぐにできるよ?

僕みたいな奴にいつまでも捕らわれてないで。

僕も君にいつまでも捕まっているのは、うんざりだから。

「徳井くん、今までありがとう」

「・・・」

「僕、君のこと好きだったよ」

「今は?今でも俺は福のこと好きなんやで」

「今・・・?」

そんなこと聞くの?

「言うてもええの?」

言うてもうたら、君はどうなるんかな。


「僕は」

君への感情は。

「徳井くんのこと」

言葉では表現できないほど。

「・・・」

嫌悪と憎悪と愛情に溢れていて。





「福・・・」



君の顔が哀しみでいっぱいになるのを見つめながら、僕は微笑んだ。



end


コメント

どうも私は、攻め→受けが好きだなぁ。

しかもこの福ちゃんがあまりに酷い。

でも、こういう二人も好きなんです。

すいません・・・。

でも甘いのも好きですよ!!