<意外性>
その日の梶はおかしかった。
そこはbaseの楽屋。
いつものように楽屋で雑誌を見ていた梶原の背中に菅が抱きついたことから始まった。
「梶ーっvv」
「・・・なんですか?」
「あれ?どないしたん?なんか元気ないな」
いつもの梶原なら、菅に笑顔で挨拶をしただろう。
しかし、今日の梶原はどこかおかしい。
抱きついてきた菅を鬱陶しそうに見ていた。
「菅ちゃん、梶がうざい言うてんで」
「えっ!?そんなんちゃうよな?梶っ」
そんなあきらかに不機嫌そうな梶原に宇治原が助け船をだすが・・・。
梶原はそんな宇治原でさえ鬱陶しそうしている。
「すいません・・・離れてもらえます?」
『え?』
冷めた口調の梶原に、その場にいた誰もが驚いた。
「か・・・梶?」
「どないしたん?」
「イヤなことでもあったん?」
そんな梶原に声をかける相方である西野とランディーズ。
しかし、梶原は何も言わない。
ただ不機嫌そうに雑誌を見つめるばかりである。
「梶がグレたで」
「あんなに素直ないい子やったのに・・・」
「育て方間違ったわ」
「・・・」
それぞれにふざけたことを言う芸人を、梶原は黙って睨みつけた。
だが、それだけ。
いつもの梶原ならここまで言われて黙ってるはずがない。
「おかしい・・・おかしいでっ」
「西野、お前なんかしたんか?」
「何もしてないですよっ」
もはやお手上げ状態である。
その時、baseの良心でもある福田が梶原に声をかけた。
「梶・・・なんか不満でもあるなら聞くで?」
「・・・不満なんか」
「ないはずないやろ?」
「・・・っ・・・福田さん・・」
「話してみて?ここがイヤなら場所変える?」
「・・・っ」
大きな目を涙で潤ませながら梶原が静かに頷く。
そんな梶原の頭をよしよしと撫でてやり、福田は楽屋に外へ梶原を連れ出した。
そして・・・後に残された者たちは・・・。
「え?何?」
「新しいわ・・・」
「あかんって!こんなん誰が喜ぶねん!」
「いやいや、喜ぶ人もいるかもしれへん」
「そんなん許すか!梶の相手は相方の俺やろがっ!」
「阿呆か!そんなことより俺の福がぁぁ!!」
「福ちゃんって・・・攻めもできるん?」
「意外やわ・・・」
何かを気にしていた。
end
コメント
すいません・・・。
何か意外なものを書きたくて。
福梶?新しいなぁ・・・。