<パート3・高倉くんは久保ちゃんが大好き!>



高倉くんは園児の中では一番背の高い男の子。

ですが、そんなことよりも目が大きいことが特徴です。

いつもいつも下から人を見るような目つきなので、ちょっと恐いと皆に言われています。

そんな高倉くんですが、彼には好きな子がいます。

その子の名前は久保ちゃん。

高倉くんより少し小さくて、愛らしい園児です。

当然、男の子でございますよ?

久保ちゃんが好きで好きでたまらない高倉くんは、今日も久保ちゃんを追いかけています。


「久保ーっ!」

「たかくら」

「久保、何してんの?」

「積み木・・・」

「おれも積み木で遊びたいっ」

「・・・じゃあ、いいよ。おれはブランコするから」



「久保っ!」

「なに?たかくら」

「おれもブランコしたいっ」

「・・・じゃあ、いいよ。おれはすべり台するから」


高倉くんにブランコを譲って、すべり台の方へと駆けていく久保ちゃん。

ですが、高倉くんの表情はどこか悲しそう。

高倉くんは別に積み木やブランコがしたいわけではないのです。

ただ、久保ちゃんと遊びたいだけなのですが・・・想いはなかなか伝わらないみたいですね。


「久保っ」

「こんどはなに?」

「あのさ・・・」

「・・・?」

勇気を出して久保ちゃんに「一緒に遊ぼう」と言おうとする高倉くん。

ですが、今ひとつ言葉にすることができないようです。

そこへ、そんな二人の様子をジーッと見ていた中川園長が助け船をだしてあげることにしました。

「高倉くんは久保ちゃんと遊びたいんやろ?」

「園長せんせー・・・」

「久保ちゃん、高倉くんと遊んであげてや?」

「たかくら、おれと遊びたいの?」

「・・・うん」

「じゃあ、一緒にすべり台する?」

「うんっ」

どうやら、中川園長のおかげで高倉くんは久保ちゃんと仲良くなれたみたいですね。

暇人な中川園長も意外と頼りになるみたいです。



end


コメント

中川さんは何者?

いえいえ、園長だよ。

高久はほのぼので楽しいvv