<パート6・変態園児はテカリちゃんLOVE>
この幼稚園は個性的な子供ばかりを預かることで有名です。
そんな、個性的な園児たちの中でもひときわ個性的な園児がいます。
その園児の名前は徳井くん。
園児にしては容姿端麗なのですが、ちょっと・・・いや、かなり変わった男の子です。
意味のない不思議な行動をしたり、一人でブツブツと何か呟いていたかと思えばニヤニヤしだしたり。
そんな徳井くんは幼稚園の中でも少し浮いた存在で、園児たちに気味悪がられています。
ですが、徳井くんは全く気にしておりません。
というか、そんなのを気にする心の余裕が彼にはないのです。
何故なら、彼には心から愛してやまない子がいるのですから。
「福ーっvv」
「徳井くんっ」
その子の名前は福ちゃん。
顔が少しテカリぎみな可愛らしい男の子。
徳井くんは入園式の時、福ちゃんに一目惚れしてしまいました。
それ以来、福ちゃんにベッタリしているのです。
また、福ちゃんも徳井くんのことが嫌いでないので、いつも仲良く遊んでいます。
「徳井くん、何して遊ぶ?」
「それよりな、おれ・・・福に言いたいことあんねん」
徳井くんは福ちゃんの手をギュッと握って真剣な顔をしました。
そんな真面目な様子にも関わらず、福ちゃんは無邪気に聞き返します。
「なに?」
「おれ、福のこと大好きやねん」
「僕も好きやで」
「じゃあ、あいしてる?」
「あいしてるって何?」
「大好きよりも好きってことやで」
「・・・わかんない」
それもそうでしょう。
徳井くんはかなりマセた子供のようです。
「おれ、福のことあいしてんで」
「徳井くんのこと好きやけど・・・わからへんわ」
「おれな、福と結婚したいねん」
「けっこん?徳井くんとけっこんするん?」
「結婚したら、ずっと一緒にいられるんやで」
「ずっと?」
「そうやでっ」
「・・・僕、徳井くんとけっこんするっ」
「ほんま!?」
「うんっ」
「じゃあ、けっこんしきしようや!」
「いま?」
「うんっ」
そう言うと、徳井くんは福ちゃんの頬にキスをしました。
「おれ、福とずっと一緒にいるって誓うわ」
「僕も徳井くんとずっと一緒にいるってちかうでっ」
「じゃあ、先生に報告しよっ」
「ほうこく?」
「おれらが結婚したって言うんやで!」
「うんっ」
二人が手を繋いで教室に入ろうとすると、宇治原先生を見つけました。
「あ、目窪先生やっ」
「徳井・・・お前まで目窪いうなや」
「でも菅ちゃんがそう言うてたで」
「ちゃんと宇治原先生って呼べや」
「それでな目窪先生」
「人の話聞けっ」
「おれたち、結婚したんや!」
「はぁ?」
徳井くんの言葉に宇治原先生は頭上に?を浮かべます。
ですが、二人は・・・。
「な?福っ」
「うんっ」
と、幸せそうな笑顔を浮かべておりました。
end
コメント
福ちゃん、騙されてます。
しかし宇治原先生はイジメられやすいなぁ。