<解散の危機!?・2>
梶原を菅と福田に連れて行かれた後。
一人楽屋に残された西野は頭をかかえていた。
「はぁ・・・どうすればええねん」
自分は何気なく言った言葉が梶原を深く傷つけてしまい、あげくのはてには「大嫌い」とまで言われてしまったのだ。
あの梶原が一週間も怒り続けるなんて余程のことだろう。
西野は自分の軽率な発言を後悔した。
「梶・・・」
梶原に心から謝りたいという気持ちはあるものの、今の梶原は西野の謝罪に耳を貸そうとしない。
「はぁぁぁ」
西野は何度目かわからない溜息をついた。
一方、その頃。
梶原は菅と福田に連れられ、チュートリアルの楽屋に来ていた。
「梶、大丈夫?」
「はい・・・すいません・・・」
「別にええって!」
「梶、目赤いで?洗ってきた方がええんちゃう?」
「しかし、西野も酷い奴やなー」
菅と福田に話を聞いた徳井が口を開いた。
そして、それに共感するかのように宇治原が頷く。
「ほんまにウチ来るかー?」
「ほら、徳井もいいって言うてるやん?」
「でも・・・」
「それよりロザンに入りって」
「せやな。俺らは西野より優しいで?」
「・・・」
「西野は放っておいても大丈夫やろ」
「随分、自分に自信があるみたいやからな」
「・・・やっぱり、西野は俺のこと迷惑なんかな・・・」
「梶、元気だして?」
目を伏せて涙ぐむ梶原の頭を優しく撫でてやる福田。
その優しさが嬉しいのか、梶原は福田に抱きついた。
「あーーーーっ!どうすればええねんっ!」
西野はまだ悩んでいた。
「うるさいっ!!」
「・・・え」
西野のあまりの大声が聞こえていたのか、すぐ隣の楽屋にいた高井が怒鳴り込んできた。
「うるさいねん!さっきから!!」
「あ、すいません」
「・・・お前一人か?梶は?」
「・・・菅さんと福田さんに連れて行かれました」
「はぁ?」
「実は・・・」
西野は高井に事の全てを話した。
もはや自分一人では解決策が見つからないと思っていた為、今ここで高井が来てくれたことは西野にとって救いの手を出されたことに等しい。
「あー・・・そういうことかいな。どうりで梶が元気なかったわけやな」
西野から話を聞いた高井は顔をしかめた。
「高井さん、どうすればええですかね」
「知るか。お前が悪いんやろ」
「そんな・・・」
「ま、自業自得や。そうや、何やったらウチに梶を誘うのもええな」
「えぇ!?」
「冗談や。まぁ、俺はそれでもええけどな」
「梶は俺の相方です!」
「・・・それは俺に言うても仕方ないんちゃうか?」
「・・・はい」
「梶のこと迎えに行けばええやん」
「だけど、梶はもう・・・」
「案外、お前のこと待ってるかもしれへんで?」
「・・・・高井さん」
「んー?」
「俺、梶を迎えに行ってきます」
「おうっ」
急いで楽屋を出ていく西野を見送り、高井は微笑を浮かべた。
「青いわ」
ばんっ!!
チュートリアルの楽屋が勢いよく開けられた。
「梶っ!!!」
「あ・・・西野・・・」
走ったきたためか、西野は息をきらしている。
そんな西野に梶原は驚いている様子だ。
だが、西野の目には福田に抱きついている梶原がうつっていた。
「西野、今更なにしに来たんや」
「福田さん、梶を離してください」
「よく言うわ。梶に酷いこと言うといて」
「・・・梶」
「イヤや!西野は俺なんか必要ないんやろ!?」
「違う!俺には梶が必要やねん!」
「嘘やぁ!」
西野の話を聞こうとしない梶原。
西野はそんな梶原を福田から引き離し、そのまま腕を掴んで楽屋の外へ連れ出した。
「痛いっ!西野、離してやぁ!」
「梶、聞いてや」
「嫌や!聞きたない!」
「梶・・・」
西野は梶原の肩を掴んだ。
その西野の顔はとても悲しそうで、初めて見る西野の表情に梶原は驚く。
「西野・・・?」
「梶、ほんまにごめん・・・俺から離れて行かんでほしい」
「・・・」
「俺はお前がおらんと何もできひんねん」
「・・・西野、泣いてんの?」
「情けないけど、お前がおらんと俺は駄目やねん」
「・・・・」
西野は梶原を抱きしめて泣いていた。
先ほどの悲しそうな表情といい、梶原が初めて見る西野の姿。
「・・・西野」
「梶、ごめん・・・ほんまにごめん」
「うん・・・もう、ええよ」
梶原が微笑みながら言うと、西野は更に強く梶原を抱きしめる。
「梶、もうあんなこと言わへんって誓うから」
「うん」
「絶対に、言わへんから」
「うん」
「せやから、俺ともう一度・・・」
「うん。俺の相方は西野だけやで」
「梶・・・ありがとう」
一方・・・。
「なんや、仲直りしてるやん」
「つまらへんわー・・・」
「まさか本気で梶を入れるつもりやったん?」
「当たり前やないですか、高井さん」
「高井さんもその気あったやないですか」
「まぁ、ちょっとは」
「あーあ、つまらへんわー」
end
コメント
解決させちゃいました。
やはり西野は梶原がいないと駄目なんですね。