<ロシアンルーレット>
まるでロシアンルーレットのような片思い。
君という弾丸で誰もが撃たれたがってる。
頭に銃口をつきつけて、引き金を引けばわかることなのに。
誰もがそれを恐れて、君という弾丸は今日も僕らを魅了するばかり。
「かぁじvv今日は暇?」
「あ、菅さんっ。えと・・・今日は暇です」
「じゃあ、俺と飯でも食いに行かへん?」
ニコニコとどこか黒い笑顔を浮かべる菅に梶原は困惑の表情を浮かべた。
すると、どこから現れたのか中川が菅をおしのける。
「梶!俺と飯食いに行こうやっ」
「たーちんと?」
くしゃっとした笑顔に梶原は安心したのか、小首を傾げて上目使い。
これを狙っているのではないというのだから凄いもの。
そんな愛くるしい表情を見せられた中川と菅は思わず顔を赤くした。
「っ////」
「梶、かわええ・・・////」
菅ならまだしも、恋多き中川までをも赤面させる梶原・・・ある意味で最強。
そんな梶原を、背後から抱きしめる男が一人。
「梶ー、何してんねん」
「あ、高井さんっ」
抱きしめられているというのに、梶原が嫌な顔をしないのは高井への信頼ゆえか・・・。
しかし、黙っていないのはこの二人。
「高井さん!ずるいわ!」
「そうや!俺かて抱きしめたいねんぞ!!」
「知るかっ。早い者勝ちやろがい!」
次々と文句を言ってくる菅と中川に、高井はベーッと舌を見せた。
それが面白いのか、梶が笑い出す。
「っははは!高井さん、子供みたいやーっ」
「梶ちゃん・・・////」
無邪気に笑い様はまさにエンジェル(え・・・)。
すっかり魅了されてしまった高井は梶原を抱きしめる力を強めようとした・・・。
その時!
「梶ーvv」
いきなり現れた目窪こと宇治原が高井の腕から梶原をするりと奪う。
「宇治原さん?」
「宇治原!何してんねん!!」
「それはこっちの台詞ですわ」
当然、高井は宇治原を睨みつけるが一方の宇治原は涼しそうな顔で梶原を抱きしめた。
まるで抱っこ人形のように抱きしめられ、いささか梶原を困った顔をする。
と、そこへ。
「梶ー、帰るでー」
「西野っ!」
梶原の相方である西野登場。
梶原は宇治原の手を振りほどき、嬉しそうな笑みを浮かべて西野に駆け寄った。
その様子はまるで恋人が来てくれたことに喜ぶかのように見えるかもしれないが、所詮は西野の片思い。
しかし、自分に屈託のない笑顔を見せてくれる梶原に、西野は優越感を感じた。
何故なら・・・。
「何やねん、西野の奴」
「ナルシストのくせに・・・」
「むかつくわーっ」
「梶ー・・・」
他の四人が羨ましそうに西野を睨みつけているのだから。
「西野、お腹すいたー」
「じゃあ飯に行くか?」
「うんっ!皆で行こうや!」
「・・・え」
「何?皆で食べた方が美味しいやん」
引き金を引けばわかることなのに。
誰もが君という弾丸に撃たれたがっているというのに。
誰もがそれをしないのは。
ロシアンルーレットというスリルを味わいたいからで。
決して、弾丸に撃たれないことを恐れているからではなくて。
所詮は弱虫たちの軟弱ゲーム。
狙う弾丸は今日も拳銃にこめられたまま。
end
コメント
梶が弾丸です。
弾丸に撃たれるということは梶の彼氏になれるということ。
みんな、告白できずにいるのです。
・・・すいません。