<アイスキャンディー>



暑い、暑い、夏の日。

どこからか聞こえてきたアイスキャンディーを売るオッちゃんの声に誘惑された。



「あ、チンクっ」

「おー・・・セミマルー」

「何食べてんの?」

「アイスキャンディー」

「ええなー」

「・・・食べる?」

「ええの?」

「ええよ」

差し出された食べかけのアイスキャンディー。

色は赤みのかかったピンク色のそれは、多分イチゴ味。

嬉しさと照れくささを隠すようにしてアイスキャンディーを一口かじる。

口の中に広がる甘さと冷たさと、しゃりしゃりとした歯ごたえがたまらない。

「美味しい」

「やっぱ夏はアイスキャンディーやなっ」

「・・・せやなっ」


これが君のアイスキャンディーじゃなかったら欲しがらない。

ちょっと変態ちっくやけど許してな?

それほどに好きやねんから。


「暑いわー」

「せやなー」

「・・・セミマル、アイスキャンディーもう一本買わへん?」

「そうしよっか」

「二人で食おうっ。コウメイと源内には内緒で!」


内緒という響きがとても嬉しい。

君はそんな気なんか全然ないと思うけど。

君の言葉で一喜一憂してしまう自分が照れくさい。


「チンク、次はイチゴ味にしようや」

「せやなっ!じゃあ、オっちゃん追いかけようや!」

そう言って、二人で走り出す。

夏の暑い暑い日。


アイスキャンディーは桃味でした。



end


コメント

短っ!!!

とりあえず、セミマル×チンクです。