<レポーターとアイドル>



最近、変な手紙が届いた。

<眼鏡の似合う福田さんへ。好きです、よければ付き合ってください・・・玉手ゴローより>

あきらかに悪戯だとは思うねんけど・・・何で俺なんかに届くんやろ?


「・・・ま、気にせんとこ」



玉手ゴローといえば、ちょっと前まで人気絶頂やったアイドルや。

俺も前に取材したことあんねんけど・・・。

まぁ・・・男前は男前やったな。

せやけど、デビューシングルがパクリやったことが発覚して・・・今はガキンチョ☆ROCKとか言う人気バンドのメンバーやったはず。

その程度した知らん人の名前を使った悪戯レターが何で俺に届くんやろ?

「つうか、俺にこんな悪戯しても意味ないやろ」

もしかして、差出人を間違えて?

いや、ちゃんと福田宛やしなぁ。

「・・・別の福田やろか?」

ますます理解できひん手紙やわ。


俺はその手紙を読み返しながら、テレビ局内の廊下をウロウロしていた。

その時。


どんっ!!


「あっ、すいませんっ」

やばぁ・・・人とぶつかってもうた。

これが大物俳優とかやったら首が危ない・・・。

「大丈夫ですか!?」

大丈夫ですか、はこっちの台詞ですよ・・・って。

あれ?この人・・・。

「あっ////」

「た・・・玉手ゴロー・・・さん?」

ぶつかったのは玉手ゴローやった。

何て偶然やろ。

まさか本人に出くわすなんて。

せやけど、これが玉手ゴローの書いた手紙なわけないしな。

「あ、あ・・・////」

「すいません。ちょっとボーッとしてて・・・」

あれ?

「・・・玉手さん?」

「あ・・・////」

この人、何で俺の顔見て赤くなってんねん。

俺の顔に何かついてるんか?

「あのー・・・俺の顔に何かついてます?」

「あ、い、いえ!」

「そうですか」

「・・・あ、あの・・・福田さん」

「はい?」

「その・・・あ、アナウンサーやなくて・・・レポーターやったんですね」

「はぁ・・・レポーターですけど?」

「そうなんやっ!お、俺、てっきりアナウンサーかと・・・」

「え?」

何で俺がアナウンサーかレポーターか気にする必要あんねん。

別に関係ないやろ。

俺が不審そうに玉手ゴローを見ていると、彼が俺の持っている手紙に気づいた。

「それ・・・」

「ああ、何でもないですよ。ただの悪戯ですわ」

「・・・読んでくれたん?」

「・・・え?」

「返事、いつでもええから」

「・・・はぁ?」

「じゃ、またっ////」

「あ、ちょっと!玉手さん!?」

え?どういうこと?

つうか、何で俺の名前とか知ってたん?

おかしいやんか!!

「・・・この手紙・・・まさか・・・」

本物・・・?


自分の顔から血の気が引いていくのがわかった。

「・・・きしょ」




end


コメント

あははははは!

笑うしかねぇー!

やはり玉手ゴローも変態でし。

なんか、福田さんが可哀想です。