<グラス>



形あるものは壊れてしまう、というけれど。

貴方との関係は壊れるはずがないと思っていました。



大きな音をたてて割れたグラス。

硝子製のものだから破片が床中に散らばってしまっていた。

「・・・」

その割れた破片を広い集めながら思い出す。

「・・・」

そういえば、前にもこんなことがあった。



がしゃんっ!!

「あっ・・・割っちゃった」

「大丈夫ですか?」

「うん・・・ごめん、川島くん。俺がボーッとしてたから」

「いいですよ。安物ですし・・・怪我はないですか?」

「うん」



あの時に割れたグラスも硝子製で。

二人で破片を拾い集めたのを覚えてる。

忘れるはずがない貴方との思い出。

今となっては、貴方が隣にいないことを思い知らされるだけなのに。



貴方がいてくれたら、こんな俺に何て声をかけてくれましたか?

「・・・っ」

チクリとしたい痛みに指を見やると、破片で切ってしまったのか赤い血が流れていた。


この痛みは誰の痛みでしょうか?


壊れてしまったのがグラスだけではなくて。


壊れてしまったのは俺の心です。



end


コメント

ごめんなさい・・・。

すいません・・・。

川潤なのですが、別れたあとです。

では、逃げます(ダッシュ)