<雨降り>
久しぶりのオフなのに外は雨でどしゃ降り。
出かけなくてよかったと思いながら読書をしていると、携帯が鳴った。
「・・・」
着信音の短さと音で誰からのメールかすぐわかる。
宇治原は机の上にのっている携帯に手を伸ばした。
「・・・なんやねん」
その内容はとても短絡。
<迎えに来い>
それだけの短い命令形メール。
「・・・はぁ」
溜息をついて立ち上がり、上着を着て家を出た。
外は大雨で空気が冷たい。
ただでさえ冬に近い季節だというのに。
「・・・場所くらい教えろっちゅーねん」
宇治原は傘を持ってひたすら歩いた。
大体の予想はできるものの、場所がわからないのだから遅くなるのは当然。
文句を言われるのを覚悟し、宇治原は歩いた。
そうしているうちに、携帯が再度鳴る。
「・・・」
<遅い!>
あきらかに怒りまくっているメールの内容に苦笑し、足を早めた。
多分、彼は怒りながらも自分を待っているはずだから。
きっと、可愛い顔して小悪魔な彼は怒るだろう。
昼飯を奢らされる可能性もある。
「・・・財布持ってきてたか?」
ポケットに手をやり、財布が入っていたことに安堵した。
end
コメント
菅ちゃんが出てこない宇治菅。
こんなのもアリです。