<悪戯>



「後藤、俺の携帯見てへん?」

「携帯?・・・そういえば、浜本さんがお前の荷物見てたで」

「・・・またかい」



「浜本さん!」

怒りのこめられた声に嬉しさがこみ上げてきた。

「お、岩尾やーん」

名前を呼んで振り返ると、そこに立っていたのは可愛い後輩。

「俺の携帯、返してください!」

「携帯ー?知らへんわー」

「・・・・っ」

怒りと悔しさからか、少し涙目で睨まれた。

なんや、そんな顔されたら冗談じゃすまなくなってまうやろ。

「・・・・そんな上目使いで見るなや。襲うで?」

「はっ!?」

「うわ、顔赤ーいvvのんちゃんヤラしー」

「か、からかうのやめてください!」

「・・・」


ほんま、鈍いわ。

俺が何でお前にばかり悪戯するかわかってへんのか?


「岩尾、携帯返してほしかったら」

「・・・」

「俺と付き合ってや」


いちかばちかの告白。

せやけど、岩尾は不機嫌そうに天然な台詞を言ってくる。


「・・・どこにですか?」

「は?」

「だから、どこに付き合えばええんですか?」

「・・・・・・」

「・・・・・・」


鈍すぎにも程があるやろ。

お前、そんなんでよく生きてこられたもんやな。


「あんな、岩尾」

「・・・はい」

「俺が言うてることは・・・」

「・・・?」

「・・・ま、ええわ」

「え?」

「とりあえず、デートでもしよか」


そしたら携帯は返したるわ。

おまけに俺の番号もつけといたるしな。



end


コメント

あー・・・・。

浜岩。浜本さんは岩尾に悪戯するという情報を頂いたので。