<一方通行>



好きだと言ってきたのは向こう。

せやけど、俺はアイツの言葉を信じることができない。



「藤原、コーヒー」

「・・・インスタントでもええか?」

「あかん」

「・・・コーヒーの粉、ないんやけど」

「買ってこいや」

「・・・」


休日だというのに、俺は身体を休めることができない。

何故なら、井本が俺の家に来ているから。

「藤原、肩もめ」

俺のベッドに横になりながら何かと俺に命令をしてくる井本。

「藤原、腹減った」

俺はお前の何やねん。


「なぁ、井本」

「あ?」

「お前、俺のこと・・・どう思ってるん?」

「下僕、または犬」

「・・・即答かい」


どうせなら、高校の同級生とでも言ってくれた方がまだ良かった。

下僕とか犬なんて、お前と対等になれへんってこと?


なぁ、俺らって恋人ちゃうんか?

お前が俺に「好きやから付き合え」って言うて来たんやろ?


「井本、俺のこと本当に好きなん?」

「・・・」

「なんで付き合えって言うたん?パシリが欲しかったからなん?」

「・・・・」


なんで、何も言うてくれへんねん・・・。


次第に泣きたくなった俺は拳を強く握って床に目線を落とした。


「・・・そういうお前はどうなんや」

「・・え?」

ふと、井本が口を開く。

その目は静かに俺を睨みつけていた。

「お前は、何で俺と付き合ったんや」

「・・・そりゃ・・・」

「俺に命令されたからやろ」

「・・・え」

「俺に命令されたから、無理してるんちゃうんか」

「そ、そんなことは・・・」


そういえば、俺は何で井本と付き合ってるんやろ。


「俺と無理に付き合ってるお前に、何を言うても意味ないやろ」

「・・・え・・・どういう・・・」

「そのままの意味や」


どういう意味・・・?


「・・・この話は終いや」

「井本・・・」

そう言って、井本は背中を向けた。

そして、しばらくして聞こえてきた寝息。

「・・・寝たんか」



なぁ、お前は俺のことほんまに好きなん?

「・・・」

俺は、お前のことどう思ってるんやろう・・・。


「わからへん・・・わからへんわ・・・井本」



end


コメント

すいません、スランプです。

何だか意味不明で終わりました。

本当にすいませんでしたぁ!!