<おめでとう>



「のん、おめでとうさん」

「・・・何が?」

「・・・お前、今日が何の日か覚えてへんのか」

岩尾のあまりに普通すぎるリアクションに後藤は肩を落とした。

「何の日って・・・」

「・・・お前の誕生日やろ」

「・・・あー・・・・」

「なんやねん。その薄いリアクションは」

「せやかて、三十路なんやから嬉しくもないで」

「・・・お前」

「でも、後藤におめでとうって言われるのは嬉しい」

「・・・さ、さよか////」

「ありがとう、後藤」

ゆるやかに微笑んで後藤の服の裾を掴む岩尾。

そんな子供のような仕草に後藤は顔を赤くした。

「の、のんっ」

「ん?」

「プレゼントとか買ってないんやけどな・・・」

「あ、そうなん?別にええよ」

「いや、せやから・・・」

「後藤がプレゼントとかはいらんで」

「・・・・」

「・・・・」

「・・・・素直に受け取れや」

「思ってたんや、やっぱり」

「ええやろ、別に」

「ええよ」

「え!?」

岩尾の言葉に後藤の顔が嬉しそうに輝いた。

「誕生日やから、たまには甘えるのもええかなって」

「存分に甘えろやっ」

「そうさせてもらうわ」



end


コメント

岩尾さん、おめでとう。

なんか不完全燃焼で気分悪い。

原因わかってるけどね!!

どうせ私は器の小さい女さ!