<さよならだけが人生だ>



俺とお前の関係には以下も以上もない筈で。

お前の気持ちは知っているけど、俺には聞く気がない。

ごめんな。

そんな関係を望むなら「さよなら」だけしか残らないよ。



「華に嵐のたとえもあるぞ・・・ってか」

「何やねん、それ」

「どっかの思想家の言葉やでー」

「そんなんよく知ってるな」

「うん。なんか好きやねん」


二人きりの楽屋。

俺は西野が嫌いな煙草を吸いたいのを我慢しながらライターで遊び・・・。

西野はそんな俺に「火事おこさんようにな」とだけ言って自分の出ている雑誌を読んでいた。

どこまで自分のこと好きやねん。


「なぁ、梶」

「ん?」

「今日、仕事終わったら飯でも食いに行かへん?」

「行かへん」

「何で?」

「・・・そういう気分ちゃうし」

「俺が誘ってんのに?」

「・・・お前やからや」


突き放したり、近寄ってきたり。

お前のテクニックはもう飽きてんねんで?

押してダメなら引いてみな、とはよお言うもんや。

お前の場合は全てが不変で面白ないねん。


「西野、最近うざいし」

「えー?俺のどこがうざいねん」

「そういうとこ」

「ひどっ!」


ケラケラ笑ってれば上手くいくとでも思ってんなら大間違い。

俺はお前の思うようには動かへん。

お前の気持ちは知ってるけど、受け入れられる器が俺にはないから。


大体。


お前とはそういう関係にだけはなりたくない。


「梶、俺・・・」

「言わんとって」

「何でや。言わせろ」

「・・・じゃあ言うてもええで。俺は耳ふさいどくし」

「・・・梶、俺のこと嫌いなん?」

「・・・何て言うてほしいわけ?」


嫌い、言うてどうすんの?

お前の行動なんて目に見えてんねん。


この気持ちを言葉にするなら「嫌い」は当てはまらない。

どちらかと言うなれば「興味範囲外」に近いかも。


「・・・俺の気持ち、言うたら泣くで?」

「お前が?」

「いや、お前が」

「・・・・」

「何ですでに泣きそうやねん」


嫌いだったらまだ良かったかもしれへんな。

嫌いは興味の対象やん?

だけど、俺からしてお前は「相方」でしかない。

興味の対象にもならへん仕事上のパートナー。


なぁ、お前との関係に以上も以下もないんやで。




華に嵐のたとえもあるぞ、さよならだけが人生だ。



「俺にこの言葉は似合わへんな」

「え?」



ごめんな。

俺はお前との「さよなら」さえも悲しむ気がせぇへんねん。



end


コメント

意味わかんねー駄文。

私がこの言葉を好きなだけです。

はい、すいません。